NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「400デイズ」(35点/サスペンス)

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■■■「400デイズ」■■■
(35点/サスペンス)

 宇宙飛行士の候補者の一人であるセオは、宇宙探査の訓練ため3人の仲間らと共に地下施設で400日を過ごすプロジェクトに参加することになる。

 やがて訓練開始から26日目、外部からの爆発音と共にソーラーパネルの一部が使えなくなり管制室への通信が途絶するという事故が発生。
 アクシデントへの対応もミッションに含まれていたため、そのまま任務を続行するが、滞在200日を経過しても管制室との通信は行えず、クルーたちは徐々に精神疲労から幻覚を見るようになっていく。

 しかし、373日目に外部から突然ハッチを叩く音が聞こえたうえに、半裸の男がエアダクトから施設へと侵入してくるというトラブルが発生。
 流石に異常を感じた彼らはミッションを中断して地上へと出ることとなるが、緑に覆われていた筈の基地の周辺は荒野と化しており…



 宇宙飛行訓練のために400日間の地下の隔離施設での訓練を行った宇宙飛行士たちが地上に出てみたところ文明が崩壊しており…という設定の、SFサスペンス映画。

 お話としては、中盤ぐらいまでは400日間を閉鎖環境で過ごすという『閉鎖環境でのサイコサスペンス』っぽい展開に加えて、終盤は「猿の惑星」とかみたいに『宇宙飛行士が地上に帰還してみたら…』というSFネタとを組み合わせてみたような感じの展開で、なかなか意欲的な作品ではあると思います。

 ただアイデアは面白そうなのですが、肝心の中身の方はなんというか全体的にモッサリしてるうえに、釈然としない部分の多い作品という感じなんですよね…

 中盤までのサイコサスペンス要素にしても、そもそも閉鎖環境なので『隔離されている』という以外には特にコレというアクシデントも発生せず、いま一つ盛り上がる要素がありません。(まあ400日っていう期間は訓練にしては長すぎるので、精神に影響があってもおかしくないとは思いますが…)

 また、メンバーのうち2人が『以前に破局を迎えた恋人同士』って設定なんですけど、そんなどう考えてもトラブルの原因になりそうな2人をこんな訓練のクルーに採用するなんてあり得ないと思うので、流石に設定に無理がありすぎな印象。

 お話が動き出す中盤以降は、『地上に何があったのか?』とか『果たしてこれも仕組まれた訓練の一環なのか?』とか色々と考える要素があって面白くなるのですが…

 こちらも依然としてちょっとテンポが悪いのに加えて、何か釈然としない要素が多くて、どうにも観ていてモヤモヤします。

 以降、ネタバレになってしまいますが…

 なによりも本作の最大の不満は、『色々と前振りをしておきながら、結局コレといった謎解きがされないままにお話が終わってしまう』という事でしょう。

 まあ投げっ放す事で『色んな解釈の出来るオチを付けた』とも受け取れるのですが、それにしてもどの解釈をしても矛盾点が多過ぎて釈然としないんですよね…

 住民が語るように『月が爆発した影響で砂塵が降り注いで文明が崩壊した』のであれば、管制室の人間が彼らにミッションの中止を伝える猶予は幾らでもあったと思うし、仕組まれた訓練だとしたら大掛かり過ぎてうそ臭いですし…

 唯一納得のいく答えがあるとしたら、実は精神を病んだ主人公たちの見た幻覚や悪夢だったって解釈ですが、それにしては伏線や脈絡が無さ過ぎですし…

 なんか、どうにもスッキリせずにモヤモヤとした気分になる作品でしたよ。


 総評としましては、全体的に『微妙にテンポが悪くてスッキリとしないサスペンス映画』って感じの作品です。

 予告で観た際に設定そのものは面白そうなので中身の方も期待していたのですが、どうにも予想外に期待はずれな感じの内容でしたよ。

 少なくともキレイにオチが付いてないサスペンスがあまり好きではないという人には全くオススメできないお話ですので、そういうのが嫌いな人は観ない方が良いと思います。

 逆にわずかな設定を元に色々と考察するのが大好きなら、まあ観てみるのもアリかなぁ…
 つっても、そもそも考察が捗るほどに面白い作品でも無いですけどね。