NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「インシディアス 序章」(60点/オカルト)

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■■■「インシディアス 序章」■■■
(60点/オカルト)

 高校卒業を間近に控えたクインは、自宅で奇妙な気配を感じた事から母の霊が帰ってきたのではないかと考え、霊能者のエリーズの元を訪れるが、とある事情から彼女が霊能者の仕事を辞めてしまったと聞かされた事から、その日は諦めて退散する事となる。

 その数日後に演劇学校のオーディションの帰りに車にはねられたクインは、両足を骨折する重傷を負い3週間の入院後に自宅での療養を余儀なくされるが、自室に戻った彼女は『気配』が更に強くなっている事に気づき、更にそれは母親ではない『邪悪な何者か』である事を知るが…


 悪霊に取り憑かれてしまった一人の少女を救う為に霊能者が危険な悪霊と戦うという、オカルトホラー映画。

 ジェームス・ワンのインシディアス」シリーズの第3弾に当たる作品で、原題は「INSIDIOUS CHAPTER 3」(第3章)となっていますが、ストーリー的には1作目に登場した霊能者やゴーストバスターチームの前日談に当たるお話なので、邦題の『序章』って方がタイトル的には正しい感じかも?

 1作目は『暗闇の領域(彼方)』とか独特の世界観を描いた作品で、2作目は謎解きをメインとしたオカルトサスペンス的なノリの作品でしたが、3作目は『暗闇の領域』という設定を盛り込みつつもオーソドックスなオカルトホラーに仕上げてきた感じで、『1~2作目の美味しいところ取り』を意識して作られたような印象の作品ですね。

 実際に1作目のテイストに加えてオカルトサスペンス的な要素も上手く組み込まれており、なかなかバランス良くまとまったタイトルといった感じなので、監督がジェームス・ワンから別の人に交代になった割には十分に合格点なシリーズ新作と言えるでしょう。

 ただお話的にはオカルトサスペンスと言いながらも、今回は謎解き要素みたいなのは薄めで、どちらかと言うと『霊能者のおばさんの過去エピソード』というキャラクターを中心としたスピンオフ作品といったテイストが強めな印象。

 その分、おばさん意外もメインの登場人物のキャラクターはしっかりと描かれているので、ストーリーとしては面白いですし怖がらせ方の演出もなかなか上手くて全体的に退屈しない作りなのは良い感じ。

 終盤で登場するお馴染みの『暗闇の領域』も、ワン監督ほどのケレン味は無いもののなかなか緊張感があって盛り上がる感じですし、ラストの展開もコテコテながらも良くまとまっていると思います。

 ただ良くまとまっているのは良いのですが、全体的にちょっとコンパクトにまとまりすぎているきらいはあるので、もうちょっとインパクトのあるネタやら本作ならではの要素があっても良かったかなぁ…という気もしましたよ。


 総評としましては、若干物足りないところもあるものの『ソツなくまとめられた佳作レベルのオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 「インシディアス」シリーズで、とりわけ1作目に登場した霊能者のおばさんが好きならば、とりあえず観ておいて損は無い一本かと…
 (確かにあのおばさんは、シリーズの中で一番良い味を出してたキャラだと思う。)

 ちなみにシリーズを観ていなくても、本作だけでも普通に楽しめる内容ではあると思いますが、やはりキャラを知らないと若干盛り上がりに欠ける部分はある内容だと思いますので、基本的に『シリーズを観た事がある人向け』という感じの映画だと思います。