NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「トム・ホランドの世にも恐怖な物語」(40点/オカルト)

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■■■「トム・ホランドの世にも恐怖な物語」■■■
(40点/オカルト)

 「フライト・ナイト」や「チャイルド・プレイ」を製作したトム・ホランド監督による、9編のオムニバスホラーストーリー。

 全編で144分にもなる長尺の作品ですが、1本辺りのストーリーは10~20分程度で短編ホラーの寄せ集めみたいな感じの作品ですね。

 各エピソードの各々のストーリーは以下のような感じです。

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■Fred & his GPS
 自宅で妻を殺害した男が、逃亡しようと車に乗って遠くへと逃げるための逃亡ルートをカーナビで検索しようとするが、カーナビからたった今殺したはずの妻の声が聞こえてきて…

■TO HELL WITH YOU
 浮気されたうえに恋人に別れを告げられた女性がショックに打ちひしがれていたところ、黒服の男から復讐のために『男を殺してやる』という取引を持ちかけられる。
 男の言葉に半信半疑だった彼女は、男に対してを復讐をするための契約に応じようとするが…

■BOOM
 爆弾の専門家であるデイブは、妻が友人と浮気しているのではないかと疑った事から、自宅のガレージで友人と妻を爆弾に繋いで真実を告白させようする。
 しかし妻と友人は、実は彼の誕生日パーティを企画していただけだったと知り…

■MONGO'S MAGIC MIRROR
 手品師のダンスティンは、新たなマジックの技を手に入れるために、裏通りで見せ物をやっている魔術師のモンゴという男の元を訪れる。
 その場所で彼はモンゴの持つ『異世界に行くことが出来る』という不思議な力を持った鏡を見せてもらう事となるが…

■BITE
 ある日、スーザンは、幻覚で自分の未来が見えるという『バイト』というドラッグを友人たちと試す事となる。
 しかし彼らがドラッグを吸った直後に、テレビから『自分達の吸ったドラッグと同じドラッグを吸った人間が狼男に変身して暴れまわっている』というニュースが流れてきて…

SHOCKWAVE
 ロスでホームパーティを行っていた四人の不動産業者は、テレビのニュースでハワイの上空でEMPが爆発して中性子線によって人類が滅亡の危機に晒されている事を知る。
 彼らはEMPの衝撃波が到達する前に屋敷にあるシェルターに避難しようとするが、そのシェルターには二人しか入れるだけのスペースが存在せず…

■CACHED_
 深夜に獲物を探して町を徘徊していた二人の強盗の男たちは、目の前で何かに怯えるようなそぶりで唐突に自殺した男の持っていたタブレットPCを持ち帰る事となる。
 しかし彼らが自宅に帰ったところ、タブレットの画面から殺人鬼の亡霊が『これからお前を殺しに行く』と語りかけて来て…

■THE PIZZA GUY
 死んだ妹と話がしたいと願うエミリーは、ガレージセールで手に入れた曰く付きの魔術書を用いて部屋の中に魔方陣を描き、仲間たちと一緒に悪魔を召喚しようとする。
 半信半疑で協力する仲間達だったが、彼女が呪文を唱えたと同時に頼んでいない筈のピザの配達員が彼らの部屋を訪れ…

■Vampire's Dance
 友人のリサとはぐれたショーンは、友人の姿を探して深夜のダンスクラブへと訪れるが、その場所は実はヴァンパイアたちの巣窟だった…

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 トム・ホランド監督の新作という事で期待してたのですが、正直に言ってしまうとちょっと期待はずれな内容でした。

 いわゆる世にも奇妙な物語』風のショートストーリーの寄せ集め的な作品なのですが、基本的に1話の尺が非常に短くて内容がとにかく薄い…

 YouTubeとかで良く公開されている短編ホラーフィルムみたいなノリで、各話がサクッと楽しめるのは良いのですし、どの話もそこまでクオリティが低く無いのでそれなりに楽しめる内容ではあるのですが、とにかく尺が短くてどの話も盛り上がる前に終わってしまう上にたいしたオチも無いような話なので、全体的に今ひとつ見応えが無いんですよね。

 まあ一本一本をサラっと流して観るには良い感じかもしれませんが、それを144分間も延々と見せられるのは、どうにも途中で退屈してしまいます。

 ただ本編の中でも、唯一の中編程度の長さで40分近い尺のある「THE PIZZA GUY」なんかは、なかなか個性的な展開のうえにパンチが効いた内容で面白かったですし、要所要所でそこそこ楽しめるネタもあったりするので完全にツマんない映画という印象でも無い感じ…

 これなら、いっそ30~40の尺の短編を3~4本という構成にした方が、良かったんじゃないかなぁ?

 あと物凄く低予算っぽくて、CGやら合成やらの特撮がビックリする程ショボいのも難点だと思うので、この辺は『もうちょっとどうにかならんかったのか…』と思うところですよ。


 総評としましては、全体的にアッサリしすぎで『どうにも盛り上がりに欠ける短編ホラーフィルム集』みたいな感じの作品です。

 特にトム・ホランド監督という事で期待をしていると、ちょっと肩透かしを食らってしまうと思いますので、過剰な期待はしない方が良いでしょう。

 まあ短編としては及第点レベルの作品が殆どで、特に期待をせずに何かの片手間に気軽に観る分にはそれなりに楽しい作品だと思いますので、『何か他の事でもしながらTV放映やネット配信を眺める程度で観る』には非常に向いている感じの一本だと思いますよ。