NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヴィジット」(60点/サスペンス)

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■■■「ヴィジット」■■■
(60点/サスペンス)

 子供たちだけでペンシルバニア州メイソンビルという片田舎にある祖父母の家に旅行に行く事となったベッカとタイラーの姉弟は、その旅行の過程を記録映画として映像に残す事になる。

 彼らは過去にケンカ別れした母親と祖父母を仲直りさせようと、ビデオを撮りながら母の過去を探ろうとするが、そんな矢先に深夜に獣のような異様な姿で徘徊する祖母の様子を目撃。

 祖父に話したところ夜間になると発生する痴呆症の一種で、祖母がそういう状態なので『夜の9時半以降は部屋の外へと出ないように』と注意される。

 しかし祖父母の行動が日増しに怪しさを増して行った事から、彼らは夜中に何が起こっているのかを確かめるために、部屋に隠しカメラを設置する事を思いつくが…



 田舎にある祖父母の家を訪れた幼い姉弟が、その場所で驚くべきものを目撃するというサスペンススリラー映画。

 シックスセンス」等でお馴染みの変態映画監督であるM・ナイト・シャマランの新作ですが、『確か以前に同じようなタイトルの作品が無かったっけ?』と思ったら「ヴィレッジ」と混同しておりました。
 いやいや、同じ監督の作品なのにタイトル似てて紛らわしいねん!!

 とまあそれはさておき、久々のシャマランの新作サスペンスって感じの本作ですが、このところちょっと捻りすぎて良くわからない作品が多くなっていたシャマラン監督にしては、割とオーソドックスなサスペンス映画という感じの新作ですね。

 今回は『祖父母の家を訪れた姉弟が撮影する記録映画』という設定でPOVの形式を取った作品で、『シャマラン+POVという組み合わせで何も無い訳が無い!!』という感じなのですが、予想どおりになかなか面白いネタが仕込まれています。

 あまり書くとネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、序盤の『子供たちが母親の過去を探る』というホームドラマ的な展開から、徐々に不気味さを増していきクライマックスへと突入していくというの持って行き方は流石はシャマラン監督という感じでなかなか上手い。

 シャマランらしい終盤の『意外な展開』も、今回はまさに怒涛の急展開という感じで面白かったです。

 ただ終盤の展開は非常に良い感じなのですが、仕込みに当たる序盤がホントに『単なるホームドラマっぽいノリ』でちょっとダルい作りなのは残念なところですねぇ…
 (序盤からもうちょっと盛り上がるような要素が欲しかった…)

 あとPOVとして作られてる割には、そこまで主観映像である事を活かしているような要素が無くて、いまひとつPOVである必然性が感じられないのは残念なところ。(『家族の撮った記録映画』ってノリは十分に活かされてるんですけど…)

 そんな感じで、作品の特性上あんまり内容に触れる事が出来ずに感想を書く事ができませんが…


 総評としては、シャマラン監督の作品としては『比較的マトモで観やすい感じのオーソドックスなサスペンス映画』って感じの作品です。

 シャマランにしてはそこまでケレン味が効いていないし捻りすぎてもないので、サスペンススリラー系の作品が好きであれば、とりあえず普通に楽しめる感じの一本だと言えるでしょう。

 逆に、いつものシャマラン監督の変人的な趣味やテイストが好きな人にはやや物足りないかもしれませんが、普通にサスペンス映画としても面白かったですので、気になっているならチェックしておいて損はない作品だと思いますよ。