■■■「ゾンビ・ガール」■■■
(55点/コメディホラー)
オカルトショップに勤めるホラーマニアの青年のマックスは、可愛い彼女であるエヴリンと付き合っていたが、彼女の異常なまでのマジメな上に身勝手に自分を束縛したがる性格に嫌気を感じていた。
そんなある日、自分の大事なホラーコレクションを彼女に捨てられて、部屋を勝手に改装された事から、遂に我慢できなくなり彼女と別れる事を決意をする。
マックスは別れ話をするために彼女を公園へと呼び出すが、なんと彼女は話を切り出す前に目の前でバスに轢かれて交通事故で帰らぬ人に…
目の前での彼女の死に落ち込みながらも、いくらかの時間を経てショックから立ち直った彼は、自分と同じようなホラー趣味を持つオリヴィアと意気投合しデートをするようになるが、そのデートの日の夜に彼のアパートにゾンビとして蘇ったエヴリンが姿を現し…
異常なまでに男を束縛したがる女性と付き合った青年が、ゾンビになってまで自分を束縛しようとする彼女に振り回されるという、コメディ風味のホラー映画。
「グレムリン」や「ピラニア」で有名なジョー・ダンテ監督の新作となるホラー映画ですが、雰囲気からしてTV向けのTV映画でしょうか?
『低予算でお気楽な感じのコメディホラー』って感じの作品で、内容の方もホラー要素はかなり薄めな感じの内容ですね。
低予算とはいえジョー・ダンテ監督が撮っている作品だけあって全体的な完成度はなかなか高く、お話のテンポの良さとか構成の上手さ、キャラの立て方やらはなかなか良く出来ていて、キレイにまとまっているのは良い感じ。
純粋に映画として普通に面白く観られるレベルに仕上がっているので、非常に安心して観られる作品になっています。
ただ安定感はある内容なんですが、なんというかお話が全体的に非常に地味なんですよね…
『ゾンビ彼女』という設定から、もっとハチャメチャでグロな感じのお話を期待していたのですが、全体的にゾンビという設定がそこまで活かされておらず、単に『粘着質な元カノに付きまとわれて困り果てた男のラブコメ』という感じの部分が多くて、ゾンビ要素がどうにも薄め。
もっと『ゾンビ彼女』らしいブラックな展開とかを期待していたのですが、そういう要素は終盤にちょっとある程度で、ぶっちゃけ元カノがゾンビじゃなくても成り立っちゃうような展開が殆どなのが、なんとも物足りません。
TV映画として放送する局の意向とかもあったのかもしれませんが、もうちょっとケレン味の効いた内容でも良かったんじゃないかなぁ?
普通に映画としての完成度は高いだけに、どうにも物足りなさを感じる内容でしたよ…
総評としましては、『低予算ながらもそこそこ良くまとまったコメディホラー映画』って感じの作品ですね。
お話の出来の良さは流石はジョー・ダンテ監督って感じなのですが、ホラー要素とかブラックな要素に期待しているとちょっと肩透かしを食らっちゃうかも?
まあ全体的に良く出来た内容ですしお話としては物足りないながらも決してツマんなくは無いですので、『気になっているのであればチェックしておいても良いかも?』って程度の一本ではあると思いますよ。