NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ビッグ・クラブ・パニック」(40点/モンスター)

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■■■「ビッグ・クラブ・パニック」■■■
(40点/モンスター)

 アメリカの片田舎のクラブ・クリークで、牧場の小屋が破壊されて家畜が虐殺されるという事件が発生。

 保安官のレイは、現場の近くにあった生物の足跡を元に野生生物局へと調査を依頼するが、恐ろしく巨大なカニのものであると説明される。

 最初は話を信じていなかった彼だったが、やがて町の住人が巨大ガニに襲われる事件が発生し、カニはかつてこの町に住んでいた生物学者の実験の影響で巨大化したものだと判明。

 彼らは巨大ガニを退治するために武器マニアの男たちに声をかけるが、カニの分厚い甲羅の前には銃弾が一切通用せず…



 アメリカの田舎町に巨大なカニが出現して人々を襲うという、モンスターパニック映画。

 イロモノ系のモンスターパニック映画で、Z級ホラーの配給でお馴染みのAssault1レーベルの配給によるものですが、ぶっちゃけAssault1の映画にしてはしごくマトモに観れる内容の作品という印象です。

 お話としては、『過去に行われた生物実験の影響で巨大化したカニが人間を襲い始めました』という感じのオーソドックスな設定。

 本作の主役でウリでもある巨大ガニは、このCG全盛期にストップモーションアニメで製作されており、車やら人間に襲い掛かるカニの動きはハリーハウゼンの映画のように妙なリアリティがありつつも、どこか可愛らしくてユーモラスな感じでなかなか良い味を出しております。

 CGとのコストの兼ね合いで採用したのかもしれませんが、作業量的にはCG以上に手間がかかってるんじゃないかと思うので、ある意味で気合の入った特撮と言えるかも?

 ストーリーに関しても、実はカニが単純に凶暴なだけのモンスターじゃなくて、キングコングのような『美女と野獣』的なノリの設定が用意されていたりと、ちょっと捻りが利いた感じの設定になっています。
 (ちなみに映画の中では『本来はおとなしいけど人間に攻撃されたから反撃した』みたいに言ってたけど、どんな理由につけ人間を一瞬で八つ裂きにするのは十分ヤバいと思いますが…)

 ただ全体的に設定とかストーリーに無理がありすぎて、『巨大ガニを小さい頃から育てている女性がカニの上で座禅を組むとカニがおとなしくなる』という『そんなアホな話があるかよ』と言うような超展開に加えて、ラストに関しても『いやいやそれで良いのかよ!?』とツッコミを入れたくなるようなオチだったりと、なかなかのグテグテっぷり。

 まあ、バカバカしくて笑えるという点では良い味を出してるとも言えるんですけど、マトモなモンスター映画を期待していると意味不明すぎて乾いた笑いしか出てきません。

 またストップモーションアニメの手間のせいか、カニの暴れるシーンがそこまで多くないうえに、暴れる場所も殆どが森の中でウロウロしてるだけなので、モンスターパニック映画としては正直言ってちょっと物足りないです。(やはりそこは町中とかで暴れまわって欲しかった…)

 あとカニの動きは良く出来ているのに、巨大ガニが『カニのくせに普通に前に向かって歩いてくる』せいで、あんまりカニっぽく見えなくなってしまっている点に関しては『そこはもうちょっと頑張れよ!!』と突っ込みを入れたくなったのは自分だけでしょうか?


 総評としましては、いかにも低予算でD級ぐらいの内容ながらも、『どこか味のあるモンスターパニック映画』って感じの作品ですね。

 イマドキの映画らしくないストップモーションアニメのモンスターが暴れる姿が観られるのが最大の魅力だと思うので、そういう部分に興味のある人であればなかなか楽しめる作品だと言えるでしょう。

 ただそれ以外の部分に関しては、あまり誉めらるような要素もない作品ですので、普通にモンスター映画として観た場合は、ちょっと物足りなさを感じてしまう内容かもしれませんが…