■■■「ライアー・ハウス」■■■
(50点/サスペンス)
テキサスの砂漠に住むローナは、ある日、夫のデイルが銀行強盗で10万ドルを盗んできた事に勘付いたことから、夫を縛り上げて親友のタイニーを呼びつけて2人で10万ドルを横取りする事をたくらむ。
しかし10万ドルの隠し場所を問い詰めるうちに、ローナがうっかりデイルを撃ち殺してしまい、更にはデイルの犯行を疑う保安官が彼女たちの家を訪ねてきた事から、彼女たちはなんとかしてお金の在り処を探しつつ夫の死体を隠蔽しようと画策するが…
テキサスの砂漠の真ん中の一軒家で2人の悪女が夫の強盗してきた10万ドルを横取りしようと企むという、サスペンススリラー映画。
パッケージにTSUYATA独占とは書いてないのですが、カルチュア・パブリッシャーズが販売という事で恐らくTSUYATA独占(もしくは先行)作品じゃないかと思うぐらいに、『TSUYATA独占作品っぽい内容』のサスペンス映画です。
いやなんというか、相変わらずアイデアや目の付け所は良い感じで設定は面白そうなんですが、映画として総合的に観ると『うーん?』と言いたくなってしまうような出来の作品なんですよ…
でもまあ、一時のTSUTAYA独占の『設定だけ面白そうで内容が全く伴っていない』という頃に比べたら、だいぶ普通に観れるレベルの作品が多くなってきたので、担当者の目利き鍛えられてきたのかしらん?
映画の内容は、閉鎖環境を舞台にしたいわゆる『シチュエーションスリラー』タイプの作品ですね。
『2人の悪女が夫の盗んだ10万ドルを横取りしようとしてうっかり夫を殺しちゃって、なんとかして証拠隠滅しようとするけど実はその事件には裏があって…』といった感じのお話。
狭いトレーラーハウス(主人公の家)の中を舞台として、殆どがその内部で完結するという展開のため、いわゆる会話劇が多めの内容ですね。
序盤~中盤がかなりダラダラした展開で、『お前ら金を探す気も事件を隠蔽する気もないだろ?』と言いたくなるようなツッコミどころ満載な感じの内容なのですが、中盤以降に序盤のダラダラした展開がキチンと伏線となっててお話の全体像が見えてくるという構成はなかなか面白いです。
特に終盤にかけてはお話がかなり二転三転としていく感じで、先の読めない展開になっていくのは良い感じ。
ただ、お話が動き出してからの展開は確かに面白いのですが、お話が動き出すまでがどうにも長い…
主人公になる2人の悪女のキャラは良い味を出しているとは言うものの、流石に本編の半分ぐらいがひたすら2人のダラダラした感じの会話劇ではちょっと飽きてしまいます。
その辺は、退屈させないような工夫がもうひと捻り欲しかったかな?
あと、謎解きで伏線として張られていた殆どの謎は解明されるものの、『ちょっとご都合主義すぎるかな?』と感じる部分も結構あったのは、やや残念な部分かも…
(まあ終盤はなかなか、カタルシスのある展開ではありましたけど…)
総評としましては、コンパクトにまとまった『ちょっと捻りとブラックユーモアの利いたシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。
そこまで良く出来たサスペンスって程では無いながらも、そこそこ個性的で観るべき部分もある感じの一本ではないかと…
まあ強く推すほどでは無いものの、TSUTAYA系の販売作品としては当たりの類ではないかと思うので、興味があるならばチェックしておいても良いかもしれませんよ。