NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フッテージ デス・スパイラル」(60点/オカルト)

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■■■「フッテージ デス・スパイラル」■■■
(60点/オカルト)

 アンティーク家具の修理業者であるコートニーは、夫の家庭内暴力から逃れるためにディランとザックの2人の幼い息子とともに、かつて一家惨殺事件があった田舎の一軒家に引っ越す事となる。

 不気味な気配を感じつつも屋敷で暮らす彼らだったが、そんな彼らの元へ、奇妙な一家惨殺事件の謎を追う元保安官のソーと名乗る男性が訪れ、彼らの家を調べさせて欲しいと依頼される。

 しかしその頃、息子のディランは屋敷に出現する『子供たちの霊』に導かれて、地下室で8mmフィルムに収められた連続殺人のフッテージ映像を毎夜のように見せられるようになり…



 邪神による『一家惨殺事件の呪い』の恐怖を描いた「フッテージ」の続編に当たる、オカルトホラー映画。

 ジェイソン・ブラム製作でイーサン・ホークが主演していた「フッテージ」の続編に当たる作品なのですが、実はうっかり『続編』だと気づかずに前作を見たことが無いのに借りてしまったので、慌ててNetflixで前作を見てから鑑賞しましたよ。
 いやはや、ネット配信って便利ですね。(笑)

 続編ものの映画としては割と前作との繋がりが強めの印象で、前作でも登場した『邪神ブグール』や『殺人フッテージフィルム』に加えて、前作で主人公に協力していた副保安官が、事件の謎を追うメインキャラとして登場してたりします。

 前作を見ていなくてもストーリーが分かるように、今回も一応は『殺人フッテージフィルム』に関する謎解きが行われますが、謎解き語られる内容がほとんど前作と同じなので、流石にその部分にはあまり面白味がありませんね。

 ただ前作との大きな違いとしては、本作では『邪神ブグール』と関わって事件の『当事者』となる子供の視点からお話が描かれており、そういう意味では『子供の視点からはこんな事件が起こっていたんだ』って言うのが分かる『解説編』的な位置づけとも言えるかも?

 また、最初からある程度のオチが分かっているのでオカルトサスペンスとしての謎解き要素は弱いですが、それ以外の部分のストーリーは割とキチンと作られているのは好印象。
 登場人物のキャラもシッカリと描かれており、オカルト話のサイドストーリーに当たるDVを行う夫を絡めたサスペンス要素もそれなりに楽しめます。
 (まあメインのオカルト要素と比べると蛇足感は否めないですけど…)

 ただ前作と同様に今回もちょっとお話のテンポは悪く、ラストまでほぼ事件らしい事件は起こらないのですが、子供が定期的に『殺人フィルム』を何本も見せられるので、盛り上がりにはそこそこ事欠かないのは良くなった点かも?
 『殺人フィルム』のシチュエーションも前作以上に凝った作りのものが多くて、なかなか楽しませてくれるので退屈しないですみますしね。
 (前作は殺人フィルムのシチュエーションにはイマイチ面白味が薄かったので…)

 しかし、もともと低予算っぽかった前作よりも更に低予算度が増した感じで、全体的に映像とかが非常に安っぽくなってしまってるのは残念なところかなぁ?
 ぶっちゃけ、本作はストーリーよりも『殺人フィルムの鑑賞』がメインみたいな感じのお話になってしまっているので、中身が無い『ホントに安っぽいC級ぐらいの超低予算ホラー映画』という印象になってしまったのは、ファンでも評価の分かれるところでしょう。


 総評としましては、前作に比べて非常に安っぽい雰囲気に不満は感じるものの、そこにさえ目をつむれば『そこそこ普通に楽しめるレベルのオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 サスペンスとしての要素は弱いですが、『殺人フッテージフィルムを楽しむ』というホラー的な要素は前作よりも面白くなっているので、そういう要素が好きだった人ならば観ておいても損は無いでしょう。

 ちなみに、前作を見てないと全体的にちょっと分かりづらい部分がありますので、鑑賞する場合は前作を見てからの方が良いと思いますよ。