（５５点／オカルト）
1985年、超常的な力を持った教祖であるジムの率いる新興宗教である『ヘブンズ・ベール』のメンバーの47人が集団自殺を遂げるという事件が発生。
それから25年後、その事件の唯一の生き残りであるサラは、映画監督であるマギーから当時に実際に何が起こったかを調査しドキュメンタリー映画を作るために協力して欲しいと依頼を受ける。
彼女に協力する事となり、撮影スタッフたちと共に当時の『ヘブンズ・ベール』の跡の廃墟に向かった彼らは、そこで当時の様子が記録されたフィルムを発見。
事件の真相を知るために再生するが、そのフィルムには驚くべき真実が記録されており、またフィルムの再生と同時に奇妙な現象が彼らの周りで起こり始め…
映画のスタッフたちが25年前に起こった新興宗教の集団自殺事件の謎を追ううちに事件の裏に隠された恐るべき真実へとたどり着くという、オカルトサスペンス映画。
先日、別の作品でもネタにされていた『人民寺院』の集団自殺事件をモチーフとしたオカルトサスペンス映画ですね。
ホラー映画の業界では、何故か同じような題材の作品が続けざまに作られる事が多い傾向がありますが、本国で元ネタとなった『人民寺院』の事件に関して何か新たな発見があったとかＴＶで特集が組まれたとかのきっかけでもあったのかしらん？
それはさておき、映画のタイトルにわざわざ『ジェシカ・アルバ』という冠が付けられてますが、ぶっちゃけオカルト映画ですし『ジェシカ・アルバが主演してたからなんだって言うんだ』って感じの内容ではありますね。（笑）
（特にサービスカットがある訳でも無いですし、まあジェシカ・アルバは相変わらず美人ですけど…）
お話としては、『とある映画のスタッフが、新興宗教の集団自殺事件の生き残り当時の唯一のと共に事件の謎を追ううちに驚くべき真相にたどり着く』みたいな感じの内容ですが、単純なサスペンスじゃなくてオカルト要素の強い、いかにもホラー的なオカルトサスペンスって感じのお話ですね。
ドキュメンタリー映画の撮影スタッフが主人公という事でモキュメンタリー的な内容なのかと思いきや、どちらかというと普通のサスペンス映画的なノリの方が強い作品です。
お話の流れとしては、当時のフィルムを発見した主人公たちが『フィルムを観る事で当時に実際に何が起こったかを徐々に明らかにしていく…』みたいな感じの展開なのですが…
序盤で割とどうでも良さそうに見えた設定が終盤で重要な伏線になっていたりとか、お話のプロットとか謎解きとかの部分に関してはなかなか良くできている印象。
ラストの展開なんかもなかなか衝撃的で、お話に関しては予想外のストーリーで割と面白かったです。
ただ総合的に見ればお話は面白いのですが、映画として全体的に良くできているかと言われると正直言って微妙な部分が多いのも事実。
何が微妙って、とにかく非常にテンポが悪いんですよ。
序盤から中盤にかけての事件が動き出すまで非常に長くて、特に中盤に割とどうでも良さそうなお話がダラダラと続くのでどうにも冗長で退屈です。
終盤への伏線を仕込むためにある程度は脇道に逸れる事も必要なのは分からなくはないのですが、それにしても前半とかにももうちょっと見せ場があっても良かった気はします。
ちょっとレトロな感じの絵作りで廃墟の映像を撮っていたりと、雰囲気映画的な要素で間を持たせようとしている印象はあるのですが、映像のセンスもそこまで良い訳でもないので廃墟鑑賞ものの雰囲気映画としてもちょっと微妙なところ。
また事件が動き出してからの流れも、謎解きがされるまでは矢鱈と説明不足なのに加えて、中盤の流れが若干演出がゴチャゴチャしすぎてて分かりづらい印象があるので、もうちょっとストレートに分かりやすいノリの方が盛り上がったんじゃないかと…
オチに関しても若干蛇足に感じた部分もあったので、そこはむしろ投げっぱなしでも良かったんじゃないかなぁ？
総評としましては、悪くはないんだけど微妙な部分も多い『及第点レベルのＢ級オカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
ストーリーとかプロットとかは面白くて観るべき部分もあると思うのですが、いかんせん退屈な部分も多いのでオススメできるかと言われると微妙なところ。
まあ、新興宗教ネタとかのジャンルものとして気になっているかジェシカ・アルバのファンでチェックしておきたいというのであれば、『とりあえず観てみてもそこまで損はしないかも？』って程度の一本ではないでしょうか？
