NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「口裂け女 in L.A.」(30点/オカルト)

イメージ 1

■■■「口裂け女 in L.A.」■■■
(30点/オカルト)

 日本の都市伝説である『口裂け女』の噂が広まりつつあるロサンゼルス。
 大学で都市伝説を研究している姉を持つ女子高生のクレアは、ある日、『口裂け女』と思われる女性に遭遇し友人のモニカを惨殺されてしまう。

 モニカは姉のサラに事件の事を相談したところ、都市伝説研究者の教授と共に事件の調査を行ってくれる事となるが、彼らによると最近のLAで『コックリサン』やら『丑の刻参り』といった日本の都市伝説に関連する事件が頻発しており、『ウワサが広まりつつある日本の都市伝説どうしが影響を及ぼしあっているのではないか』という奇妙な話を聞かされるが…



 日本の都市伝説の『口裂け女』や『コックリサン』がアメリカに上陸して恐るべき事件を巻き起こすという、オカルトホラー映画。

 お話としては口裂け女に遭遇した少女とその姉が事件の謎を追ううちに、様々な怪奇現象の謎を解き明かしていく』みたいな感じの展開なのですが、とにかくいろんな要素を詰め込んだゴッタ煮的なノリで無駄にイキオイだけはあるのは良いですね。

 表題の口裂け女』にはじまって『コックリサン』やら『丑の刻参り』、果てはメイド喫茶のメイドは『メイドゾンビ』になって暴れだすわ、口裂け女を追う『謎の陰陽師』と『ゾンビ使いの悪魔神父』とかが登場して、何故かカンフーバトルを繰り広げるわという節操のない超展開っぷりは、一見の価値アリ。
 (ちなみに設定に妙に『日本人の考えた設定』っぽいネタが多いですが、アメリカが舞台になっているってだけで監督やら脚本やらは日本の製作スタッフによるもののようです。(というか舞台がアメリカの邦画?))

 …と、これだけ聞くと凄く面白い映画のように感じられるのですが、困った事に肝心のお話がビックリするほどツマんないんですよ。

 『コックリサン』やら『丑の刻参り』やらのエピソードがオムニバス的な短編となっており、それぞれが相互に一本のストーリーとして絡み合っているという感じの設定なのですが…

 このストーリーの関連性が物凄く適当で、中学生辺りが考えた『俺の作った最強の都市伝説』みたいなアイデアを適当につなぎ合わせて脚本を書いたとしか思えないような雑っぷり。

 それぞれの短編の内容も、登場人物の心理描写やキャラクター描写や状況描写が物凄く雑で、ホントに学生の作った安い演劇を延々と見せられてるような気分になります。

 また設定のハチャメチャさの割にはアクションや特撮が非常に地味で、いかにも低予算映画らしく全体的に盛り上がりに欠ける印象。

 ケレン味を出すためにアメリカを舞台にしているのかもしれませんが、『日本人が無理して考えたアメリカンホラー』的なテイストなので、全体的にノリが悪くてセンスがイマイチなのはいただけません。

 『日本の都市伝説をベースに海外を舞台にしたお馬鹿映画を作ろう』というアイデアは悪くなかったと思うのですが、『もうちょっと予算をかけるなり海外スタッフを取り込むなりして全体的なクオリティを改善できなかったものかなぁ?』ってのが正直なところですよ…


 総評としましては、題材とかアイデアとかは悪くないんだけど、『どうにも盛り上がりに欠ける(というかちょっと寒い)お馬鹿系オカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 まあ設定だけなら十分にインパクトのある感じなので、口裂け女』やら『コックリサン』やら『ゾンビメイド』やらが登場してバトルするネタ映画として見るならば、一見の価値はあるかも?

 ただ内容的にはかなりお粗末な感じなので、鑑賞する場合はアクマで『ネタ映画』として楽しむレベルで中身には期待しないでおく事をオススメしますよ。