■■■「監禁村」■■■
(40点/サスペンス)
1984年のアメリカのカンザス州。
休暇を利用して、大学生のヘザーは恋人のジョンや友人たちと一緒に山奥にある別荘にバカンスに出かける事となる。
知人の保安官から『近くにクマが出たから注意するように』と警告を受けつつも仲間たちと休暇を楽しむ彼女だったが、ある日の朝に仲間の一人が何者かに惨殺されているのを発見。
彼女たちは、森で出会った動物カメラマンのデビッドに無線で応援を呼んでもらう事となるが、ロッジへと戻る途中で血まみれでショック状態のままふらふらと歩いているリサと名乗る女性と遭遇し彼女を保護するが…
山奥の別荘にバカンスに訪れていた若者たちが謎の連続殺人事件に遭遇するという、サスペンスホラー映画。
DVDを再生しはじめた瞬間に、クソ映画乱発ブランドである「アサルト1」の文字が見えたので『これはやってしまったか!?』と思ったのですが、本作は「アサルト1」の作品にしては比較的マトモで観れる感じの内容だったかなぁ?
(というか「アサルト1」の映画は、間違って借りないようにもうちょっと分かりやすくして欲しい…)
お話としては『若者たちが山奥の別荘にバカンスに訪れたところ何者かに仲間の一人が殺されてしまうが、その事件は実は恐るべき事件の発端でしか無かった…』という感じのストーリーなのですが…
なんというか、映画の内容以前に『タイトルに思いっきり偽りがある映画』ですね。
「監禁村」ってタイトルからして、『サイコな原住民が棲む村で若者たちが監禁されて殺されるような話』かと当然ながら考えると思うのですが、そもそも本作では誰も『監禁』されないですし『村』なんて1ミリも登場しません。
(「監禁村」(監禁するとは言って無いし村が舞台とも言って無い)みたいな感じ?)
パッケージに書かれた作品の『解説』も別作品かと思うようなストーリーが書かれてますし、このメーカーの人間はホントにこの作品を観た事があるのかと…
まあそれはさておくとして肝心の映画の出来に関してですが、正直に言ってしまうと微妙な出来のサスペンス映画って感じですね。
なにが微妙って、とにかく『お話が動き出すまでが物凄く長い』という事。
90分程度の尺の映画なのに、事件が起こってお話が動き出すのが50分辺りからで、それまでは若者たちが酒を飲みながらダラダラと過ごす姿を延々と見せ続けられるだけという按配。
この手のB級映画ではお話がなかなか進まないでダラダラする作品も多いですが、本作はとにかく話が動き出すまでがダルくて久々に本気で早送りボタンに手が伸びかけました。(あと5分、お話が進まなかったら本気で早送りしてたと思う。)
ただお話が動き出すまでは物凄くダルいのですが、ストーリーが進みだした後の展開は意外と面白いのはなかなか良い感じ。
登場人物が各々に『秘密』を抱えてそうな伏線が貼られており、事件が動き出した後はお話がどう転がっていくのかが全く読めない感じの展開になっている構成は上手いです。
加えて殺人鬼の正体や動機もなかなか意外性があって、事件の真相もちょっと捻りが効いていますし、オチもコテコテながらもまあまあ悪くない印象。
特撮とかは物凄くショボいですが、映画の舞台が80年代という設定のおかげで『特撮や映像がショボくてもなんとなく許せてしまう空気』が感じられるのは、なかなか上手いやり方かも?(笑)
しかし、いかんせん事件が起こるまでの展開がダルすぎるのが難点なので、もうちょっとお話のペース配分とかどうにかならんかったもんかなぁ…ってのが正直なところですよ。
総評としましては、それなりに見るべき部分も無くはないものの『どうにもテンポが悪くてダルいサスペンス映画』って感じの作品ですね。
前半がダルすぎる事にさえ目をつぶれば見れなくは無いレベルなので、TVとかで放映された際に片手間に見る分には意外と楽しめる作品かも?
観るべきところもあるのでどうしても気になるならばチェックしておいても良いかもしれませんが、基本的にダルい低予算映画なので、『オススメするにはちょっと辛い内容かなぁ…』ってのが正直なところですよ。