(55点/パニック)
ある湖畔の田舎町で女性警官をしているメレディスは、危険動物の密輸や傷害などの罪でかねてから追っていた犯罪者のクリントを逮捕する事に成功。
しかし彼にはまだ幼い娘がいた事から、彼女自身が身寄りのない娘のカーリーを引き取って育てる事となる。
それから5年後、刑期を終えたクリントは仮出所してくる事となるが、時を同じくして湖で生息しないはずの人食いザメによる被害が発生。
メレディスは海洋生物学者のピーターと共に、湖に居ないはずのサメがいったいどこから現れたのかの調査を開始するが…
アメリカの湖畔の町で湖に居ないはずの人食いザメが出没してパニックを引き起こすという、生物パニック映画。
タイトルからして、ドルフ・ラングレンが人食いザメとガチファイトしてサメを処刑しまくるような映画かと思いきや、実際の中身の方ははあんまりサメとファイトしたりはしません。
というか、そもそもドルフ・ラングレンは準主役的な扱いで主人公ですらありません。
まあ、この手の『なんちゃってタイトル』はB級映画では良くある事なのですが、それを差し引いてみれば低予算ながら割と普通に楽しめる生物パニック映画という感じの内容です。
お話としては、『湖畔の町の湖に居ないはずの人食いザメが出現して人間を襲うという事件が発生、事件を追ううちにかつて動物を密輸していた犯罪者が捜査線に浮かび上がるが…』みたいな内容で、それに加えてその犯罪者の娘と娘を引き取って育てている女性警官との人間ドラマみたいなのが並行して描かれるといった展開。
パニック映画要素のサメの事件と同時にサメに関わっていた犯罪者とその娘と警官とのドラマが描かれるため、全体的に人間ドラマ要素が強めの内容でパニックとドラマが半々ぐらいといった感じかな?
おかげでサメの出番は全体的にちょっと少な目でCGとかもショボめなので、サメが大暴れするような内容を期待しているとちょっと物足りなさを感じるかも?
ちなみに、サメは「レッド・ウォーター サメ地獄」にも登場したオオメジロザメで、淡水域でも生息できるという事から川や湖にサメが出没する映画の題材としては重宝されるサメですね。
サメに対して人間のキャラの方は、ドルフ・ラングレンのキャラクターは『犯罪者なんだけど実はそこまで悪くない奴』みたいな感じに描かれてて、そこそこ扱いも良いのでファンの人も安心といった印象。
ただ他の登場人物は主人公以外は結構ぞんざいな扱いのキャラが多くて、準主役っぽい海洋生物学者とかマフィアのボスとか『何しに出てきたんだ?』みたいな扱いなので、人間ドラマ的な内容が中心なら周辺のキャラももうちょっと魅力的に描いて欲しかった。(チョイ役の『サメ番組のスタッフ』とかは良い味を出してたんだけど…)
また、肝心のドルフ・ラングレンとサメの絡みはそこまで多くなくて、ラングレンがサメとガチファイトするようなノリを期待していたので、その部分に関してはハッキリいって肩透かしも良いところ。
サメの退治の仕方もあんまり面白みが無い内容だったので、もうちょっと生物パニック方面にも気合を入れて熱いノリを描いて欲しかったです。
総評としましては、物足りない部分も多いですが『まあまあ普通に観れるレベルの生物パニック映画』って感じの作品ですね。
ストーリーとかはそこそこなんですが、やっぱサメの出番の少なさとドルフ・ラングレンの暴れっぷりの少なさが最大の不満点かなぁ?
『ドルフ・ラングレンと人食いザメ』とか、テレ東(というか午後ロー)あたりが物凄く大好きそうな題材ですので、そのうちTV放映されるんじゃないかと思いますし、急がないのであればそれを待っても良いかもしれませんよ。