NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ」(20点/モンスター)

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■■■「アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ」■■■
(20点/モンスター)

 街の小さなドーナツ店で働く冴えない青年のジョニーと幼馴染のミシェルは、いつものように売れないドーナッツ店で店番していた。

 そんなある日、彼の叔父で科学者であるルーザーの作った『生物を復活させて凶暴化させる遺伝子』が誤ってフライヤーの中に混入してしまった事から、人間を襲う『キラー・ドーナツ』が大量に生産され、街中に解き放たれてしまう。

 店からの帰宅の途中で『キラー・ドーナツ』が街で暴れている事に気付いた彼らは、『キラー・ドーナッツ』を退治するために解毒剤を手にドーナツの発生源であるドーナツ店の厨房を目指すが…



 遺伝子操作薬の影響で誕生した『キラー・ドーナツ』が人々を襲うという、コメディ風味のモンスターホラー映画。

 タイトルどおり伝説のカルトホラーである「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」のオマージュ的なコメディ作品という感じの映画なのですが、正直に言ってタイトルの割にはそこまでオマージュ的な部分も無くて、単に『変な殺人生物(?)の登場する低予算モンスター映画』って感じの作品ですね。

 物語としては、『マッドな科学者(主人公の叔父)の作った蘇生薬のせいで生命を得てキラー・ドーナツとなったドーナツの群れが人々を襲う』というまあそれだけの話なのですが、一応、冴えない主人公と幼馴染のヒロインの恋愛事情とかの話もあって、モンスター映画+青春コメディものという感じの内容。

 メインとしてはコメディっぽいノリがベースになっているのですが、ぶっちゃけて言うとこのコメディ要素がちっとも面白くないのが困りものです。

 何が微妙って主人公も含めて登場人物のほぼ全員が性格が矢鱈と悪くて、とにかく見ていてイライラするという事。
 欧米のコメディにありがちなノリではあるんですけど、欧米の人たちはこういう『性格の悪いアホな人たちが面白くもない皮肉なネタをやりあう』みたいなノリを本当に楽しめてるんだろうか…

 加えて、キラー・ドーナツが暴れるシーンよりも、そういった笑えないコメディシーンの方がだいぶ長いのも辛いところです。

 ちなみに怪物である『キラー・ドーナツ』は、キラー・トマトのオマージュという割には生意気にもCGが使われており、襲撃シーンなんかもキチンとCGで制作されていたりします。

 でも、主人公たちがキラードーナッツと戦うシーンでは、どうみても『単に誰かが投げつけたようにしか見えないドーナッツ』をフライパンで打ち返したりして応戦したりしてるのは、なかなかにシュールで笑わせてくれる感じ。
 (なお、ドーナツがどうやって人を襲うんだって話ですが、怪物はドーナツの穴の部分に牙が生えてるというヤツメウナギみたいな感じで噛みついて襲ってきます。)

 ただオマージュ元のキラー・トマトは、『単にトマトが水に浮いているだけなのに人々が勝手に恐怖の悲鳴をあげてバタバタと死んでいく』ぐらいのシュールさだったので、どうせコメディとしてオマージュするならそれぐらいシュールなノリでも良かったかも?

 CGにしたせいで予算が厳しくなったせいかキラー・ドーナツの暴れっぷりもイマイチですし、モンスターの退治の仕方も特に捻りが無くて盛り上がりに欠けるのも残念なところ。
 (オマージュするなら、もっとキラー・トマトの社会風刺的なノリとかをオマージュすれば良かったのに…)

 後は内容的にはあんまり褒めるべきところも無いですが、エンディングの「キラートマトの歌」をロック調にアレンジした風味の「キラードーナツの歌」は個人的には結構好きかも?

 あとどうでも良いのですが、ラストのお話が解決した後のエピローグの無駄に長い『主人公がヒロインとイチャイチャするだけのラブシーン』は必要だったんですかね?
 (あまりの長さに割と本気でイラっとしたんですけど…)


 総評としましては、単に『あんまり面白くもないトンデモネタ的な低予算モンスター映画』って感じの作品ですね。

 キラー・トマトのオマージュ作品という割にはオマージュ的な要素がほとんど無いですので、オマージュにするならばもうちょっとネタ的な部分やテイストで頑張って欲しかったところ。

 ネタ映画として気になっているならば観るのを止めはしませんが、コメディ部分が寒いせいでネタ映画としても微妙な感じになってしまっているので、個人的にはあんまりオススメできるような要素も無い作品かなぁ?