NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リムジン ~余命60分~」(60点/サスペンス)

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■■■「リムジン ~余命60分~」■■■
(60点/サスペンス)

 元特殊部隊で現在は大富豪のお抱え運転手をするマットは、ある日、意識を取り戻すと、自分が5人の仲間たちとともに水中に沈んだリムジンに閉じ込められている事に気づく。

 彼は混乱する頭でパーティ会場から大富豪の娘であるジェシーを送る際に、ジェシーを誘拐しようと狙う何者かの襲撃を受けて橋から川へと転落した事を思い出すが、リムジンは水圧でドアが開かないうえに防弾仕様でガラスを割ることもできず、また外部との連絡も取れないままにリムジンは徐々に浸水していく。

 更には潮の流れの影響で60分後には車が海まで流されてしまう事を知った彼らは、パニックに陥り仲間たちへの不信感をあらわにしていき…



 大富豪の娘の護送中にリムジンで川底に転落した仲間たちが迫る危機に直面してパニックに陥っていくという、シチュエーションスリラー映画。

 いわゆる閉鎖環境型の低予算シチュエーションスリラー映画って感じの作品ですが、実際の中身の方はタイトルの割にはそこまで一発ネタ的なノリでもなく思ったよりシッカリと作られたサスペンス映画って感じの作品です。

 お話としては、『とある大富豪のお抱え運転手(兼ガードマン)が大富豪の娘とその友人たちを送る最中に何者かの襲撃を受けてリムジンごと川底に転落してしまい…』みたいな設定なのですが、事件が発生してから時間を遡って(さかのぼって)『主人公たちがどうしてこんな事態に陥ったのか』を徐々に描いていく感じの構成になっており、半分ぐらいの時間はリムジンの車外で起こった事件が描かれているため、閉鎖環境ものの割には場面に広がりがあって退屈しない構成になっているのは良い感じです。

 登場人物のキャラクターやら構成も意外とシッカリと考えて作られており、一緒に車に閉じ込められた友人たちとかも単にパニックに陥るだけの賑やかし(にぎやかし)的なキャラかと思いきや意外な秘密を持っていたり、また割とどうでも良さそうな設定が後で意外な伏線として出てきたりする辺りは良く出来ています。

 ただ半分はリムジンの車外での出来事だと言っても、残りの半分はやっぱりリムジンの車内で起こっている事件のため、いわゆる閉鎖環境型のシチュエーションスリラーにありがちな冗長な要素を感じてしまうのはいたし方無いところ。

 あと終盤はちょっと予想外の方向に話が進んで、なかなか盛り上がる展開で良い感じではあるのですが、設定に強引すぎる部分も多く『流石にそれはちょっと無理があるんじゃないの?』と感じてしまうところもあったのは残念なところ。

 また割と凝ったシナリオやプロットになっているとはいえ、いわゆる低予算映画なのでそこまで派手な展開も無いですし、サスペンス的な要素もあるとは言えそこまで衝撃の展開ってほどの内容でも無いですので、まあ過剰な期待をするほどの内容では無いかなぁ?

 ちなみに、この邦題は実際の内容に対してチープな印象を受けるので、『もうちょっと別のカッコ良い感じの邦題にした方が良かったんじゃないの?』と感じてしまったのは自分だけですかね…


 総評としましては、『コンパクトながらも割と良くまとまった佳作レベルの低予算サスペンス映画』って感じの作品ですね。

 そこまで凄く面白い訳でも無いですが、サスペンス劇場的なノリでサラっと観るなら割と楽しめる内容だと思いますので、そういうノリが好きな人であればまあまあ楽しめる一本でしょう。

 敢えてプッシュする程では無いものの、TVで放映された時に観るなり気になるならば何かの機会にでもチェックしておいても損は無い映画だと思いますよ。