NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マギー」(55点/サスペンス)

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■■■「マギー」■■■
(55点/サスペンス)

 人間をゾンビ化させてしまう『腐歩病』というウィルスが蔓延する近未来。
 アメリカの片田舎に住むウェイドは、16歳の娘のマギーが街に遊びに出た際にこのウィルスに感染してしまった事を知る。

 ウィルスは数日から数週間をかけて症状が進行し患者は徐々に人間としての理性を失っていくため、理性を保てなくなった患者は隔離施設へと移されるというルールだったが、根本的な治療法が存在しないため実際には施設で見殺しにされるだけだった。

 そんな患者の扱いと現状を知ったウェイドは、娘を隔離施設へと入れたくないあまりに自宅で娘をかくまう事となるが、マギーの病状は徐々に悪化していき、やがて彼らは重大な『決断』を迫られる事となる…



 近未来のゾンビウィルスの蔓延する世界で、ウィルスに感染した娘とその父親のたどる運命を描いた、サスペンスホラー映画。

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演のゾンビ映画という事で話題の作品ですが、シュワちゃんがゾンビ相手に大暴れするような内容ではなく、最近ちょっと流行りの変わり種タイプの『人間ドラマ系のゾンビ映画』って感じの作品ですね。

 お話としては、ゾンビウィルスに感染してしまった娘とその家族の苦悩を描くという感じのゾンビ映画と言いつつも人間ドラマが中心の内容で、作品のテーマからなんとなく予想は付くと思いますが非常に重苦しくて暗いお話です。

 そんな感じなのでゾンビ映画といってもマトモにゾンビが襲ってくるようなシーンは殆ど無くて、ゾンビ要素はごく一部のシーンでシュワちゃんがゾンビと戦うような場面があるって程度。

 一応は『ゾンビ化』という事でホラーっぽいテイストはあるものの、どっちかっていうと『闘病もの』という雰囲気が強い印象で、徐々に人間らしい理性を失っていく事に恐怖する娘と、それを見守る父親の苦悩が描かれているという感じの内容ですね。

 とは言っても、ただただひたすら重苦しいだけの内容でもなくて、ゾンビ化した近所の住人とシュワちゃんが対峙するシーンがあったり、既にウィルスに感染した娘の友人が登場してちょっとだけ青春ものっぽい要素もあったりと、その辺が良いアクセントになってるのはなかなか上手い構成だと思います。

 ただやはりゾンビものでやるようなテーマかと言われると、そこまでゾンビで事の必然性を感じさせる要素はないので、ぶっちゃけ『ゾンビものである必要は無かったんじゃ?』とツッコミを入れたくなるような内容だってのも正直なところ。

 ラストもアッサリしすぎててちょっと唐突な印象で物足りないですし、もうちょっと「バタリアン・リターンズ」みたいばグロい要素なりエグい要素なりを入れるとか、ゾンビ映画である事を活かした特徴があっても良かったんじゃないかなぁ?

 あとシュワちゃんが主演してるメリットも特に無いですし、ちょっとシュワちゃんの無駄使いという気がしたのは自分だけですかね?


 総評としましては、可も不可も無い感じとレベルの『人間ドラマ風味のサスペンスホラー映画』って感じの一本です。

 無難に良く出来ては居るのですが、『ゾンビウィルスに感染した娘と家族の苦悩』という題材から予想できる範囲の内容を全く超えていないため、なんというか無難な出来の作品といった印象ですね。

 まあゾンビものの変わり種系の作品が好きな人であれば、それなりに楽しめる内容だと思いますので、気になるならばチェックしておいても良いレベルの映画だと思いますよ。