NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ビッグフットvsゾンビ」(7点/モンスター)

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■■■「ビッグフットvsゾンビ」■■■
(7点/モンスター)

 ワイオミングの片田舎にある、死体の腐敗状況を研究するための施設である『死体農場』で、実験のために放置されていた死体が消失するという事件が発生する。

 研究所の管理人であるピール博士は、大型の野生動物の仕業だと考えハンターのデュークを呼ぶが、死体は実は博士が作った『腐敗を促進する薬』の影響でゾンビとなって甦っていた事が判明。
 ゾンビたちは次々ろ研究所の関係者たちを襲って暴れ始める。

 研究所員のレネは、博士たちと共に研究所の中に立てこもるものの、ゾンビによって脱出するための車が破壊され万事休すの状況と思われたが、そんな矢先にどこからともなく現れたビッグフットがゾンビたちと闘いはじめ…



 死体の腐敗を研究するための施設『死体農場』で科学者の発明した薬品によって出現したゾンビの群れがどこからともなく現れたビッグフットと戦うという、モンスターホラー映画。

 タイトルからしてヤバそうな雰囲気のプンプンしている作品ですが、期待を裏切らない(?)ぐらいにダメダメな出来の超低予算Z級ホラー映画で、一言で感想を言うなら、『ダメだコリャ!!』という以外の言葉が見当たらないような作品です。

 まあなんというか色々と酷い映画で、何が酷いとかいちいちツッコミを入れるのもバカバカしくなるようなレベルなのですが、とにかく低予算にも程があります。

 襲ってくるゾンビは『単に肌を白く塗っただけ(たまにゴムマスクを被っている奴も居る)の人』なのに対して、ビッグフットは『遊園地のアトラクションに出張してそうな着ぐるみ』という超チープな世紀の対決っぷり。

 更に加えてゾンビの襲撃シーンでは、ゾンビに襲われた犠牲者が内臓を引きずり出される(つもりの)場面で『犠牲者の服の隙間から赤く塗られた布が引っ張り出される』という低予算の徹底っぷりで、『えっ、もしかしてコレを内臓と見立てて怖がらないとならないの?』という感じに、自分の想像力の限界を試す修行をさせられてるのかと疑いを抱きたくなる気分でしたよ。

 まあ低予算なのは最初から予想はついていた(予想をはるかに超えるダメっぷりでしたが)ので、そのへんはまあ許容できる範囲ではあるのですけども、むしろ残念だったのはビッグフットとゾンビのバトルがビックリするほどショボい事。

 作品の雰囲気やパッケージからして、てっきりビッグフットがゾンビを華麗なフットワークとパワーで翻弄して無双するような展開なのかと思いきや、むしろビッグフットが無茶苦茶弱くてどうにもガッカリです。

 いくら能力に差があるハンディキャップマッチでマジメに戦うと勝負にならなさそうだからといって、時速3kmぐらいのスピードでノロノロと襲ってくるゾンビに対して、何故か一か所から動かずに立ち止まってゾンビに囲まれてピンチに陥るビッグフットさんは、流石に人付き合い(ゾンビ付き合い)が良すぎでしょう。

 というか、途中で研究所員たちが『走って逃げよう』と提案した時に『敷地から出るまでに追いつかれる』と却下されるシーンがあるのですが、『この速度で追ってくるゾンビ相手なら、ヨボヨボの爺さんでも無ければ普通に歩いてるだけでも振り切れるだろ?』とツッコミを入れたくなりましたよ。

 ストーリーに関しても言うまでも無くグテグテで、研究所の博士の実験の副産物で発生したゾンビの方は納得するとしても、ビッグフットの方の『なんとなく研究所にやってきた』って設定はいくらなんでも無理がありすぎだろ。

 あと、「美女と野獣」的なノリでビッグフットが女性研究所員を助けるためにゾンビと戦ってくれるみたいな展開なのですが、そもそもビッグフットと研究所員に過去に何らかの経緯があった訳でも無いのに、お前は女だったら誰でも良いんかい!?

 ラストの展開も、今まで逃げ回っていただけの主人公たちが唐突に本気を出してゾンビを全滅させて終わりという良く分からん展開ですし、っていうかこの物凄くトロいゾンビ相手なら『本気になったらいつでも全滅させられてたよね?』と言う気がしたのは自分だけですかね?(ゾンビの数は死体農場にあった死体の30体程度で打ち止めなんだし…)


 総評としましては、ある意味で『予想どおりのノリと内容の超低予算Z級ホラー映画』って感じの作品です。

 ただ、タイトルのインパクトの割にはお馬鹿要素はそこまで強くないので、そっち方面に期待してるとちょっと肩透かしを食らわされるかも?

 色々とツッコミどころは満載な内容ですので、最初からそういう目的で鑑賞する分にはまあまあ楽しめる映画だと思いますが、肝心の中身の方はビックリするほどツマんない内容ですので、観てみたいという人はその辺は覚悟完了してから鑑賞する事をオススメしますよ。