■■■「ザ・ハロウ/侵蝕」■■■
(60点/モンスター)
植物学者のアダムは、森林資源の調査のためにアイルランドの奥地のある森に妻と息子の家族と共に越してくる事となる。
森の調査を進めるうちに奇妙な現象に遭遇した彼は、最初は森を神聖視する地元の住民による嫌がらせではないかと疑いを抱くが、やがて常識では考えられない不気味な現象に遭遇した事から、森の伝承に登場する『ハロウ』と呼ばれる妖精が実在するのではないかと考えるようになり…
アイルランドの静謐な森の奥でとある家族が伝説上の怪物に遭遇するという、モンスターホラー映画。
アイルランドの森に棲む『ハロウ』という名前の妖精を題材にしたホラーのようなのですが、残念ながら私はこの妖精の事は良く知りません。
本編の中で『チェンジリング(取り替え子)』なんかの話も出てくるので、完全に創作のネタとも思えないのですが、何かもっとメジャーな別の呼び名がある妖精なのかしらん?
お話としては『森の奥の一軒家で妖精に狙われた家族のたどる運命』みたいな感じの内容なのですが、この妖精が妖精と言いながらも寄生生物みたいなノリの生態で結構ドロドロしてグロかったりするので、どちらかというと乗っ取りホラー的なノリのある作品といった感じ。
『奥深い静謐な森』の描写なんかは非常に良く出来ており、なんとも言えずに『キレイで神秘的なんだけど不気味な森の雰囲気』が非常に良く出ているのは良い感じ。
またダークファンタジー的で不気味な雰囲気の世界観に対して、モンスターの方は菌類系の怪物で結構グチョグチョでなかなか気持ち悪い感じなのが、なんとも言えずミスマッチなテイストを醸し出しています。
ただ、ファンタジー的な世界観やら不気味なモンスターのテイストは良い味を出しているのですが、お話のスケールが物凄く小さくてどうにも地味な感じなのは残念なところ。
お話は植物学者の家族の3人を中心に進んでいく感じなのですが、メインでお話に登場するのがホントにその3人だけ(つっても1人は赤ちゃんなので実質2人)で、お話の広がりが殆どないのでいま一つ盛り上がりません。
お話の展開も中盤以降はダラダラと逃げ回ってるだけのシーンが多くて、ちょっと冗長な印象を受けたのも残念なところ。
深い森の雰囲気やらモンスターの不気味さやらは良い味を出していただけに、その辺をもうちょっと上手く活かせていればもっと面白い作品になったんじゃないかと思うので、ちょっともったいない感じでしたよ。
少なくともクリーチャー(妖精)に関しては、もうちょっと暴れまわるなりの活躍するシーンがあっても良かったんじゃないかなぁ…
総評としましては、雰囲気やら世界観やらはなかなかに良い感じの『独特のテイストのあるモンスター映画』って感じですね。
ですので、そういった独特の味のあるの雰囲気のホラーが好きな人とかであれば、なかなか楽しめる作品ではないかと…
強くオススメという程では無いもののそこそこ楽しめる作品ではあると思うので、気になっているならばチェックしておいても良いかもしれませんよ。