■■■「バチカン・テープ」■■■
(55点/サスペンス)
20歳になったアンジェラは誕生日に軽いケガをして病院に行ったところ、それ以降、唐突に意識を失ったり人格が豹変したりするという異様な行動を取るようになり、ついには交通事故を起こして脳死状態となってしまう。
彼女は40日間の昏睡ののちに生命維持装置を外される事となるが、生命維持装置を外した直後に謎の復活を遂げるが、復活後も異常行動は収まらず精神病院へと収監される事となる。
しかし、精神病院でも彼女の周辺で異様な現象や事故が相次いで発生した事から、病院で彼女の保護を行っていた神父ロサーノは、彼女に悪魔が取り憑いていると考えてヴァチカンに助けを求めるが…
20歳の誕生日を迎えた女性に悪魔が取り憑いたため教会が悪魔祓いをしようとするが、その悪魔は実はとてつもなく強力な存在で…という感じの、悪魔祓いもののオカルトホラー映画。
なんでも「アドレナリン」の監督の新作という事ですが、良くも悪くも普通の悪魔祓いもののオカルト映画って感じの作品ですね。
お話としては『とある女性が20歳の誕生日をきっかけに奇妙な行動をとるようになるんだけど、実は彼女は悪魔に取り憑かれており…』みたいな感じで、ややサスペンス風味を交えながらオカルトホラーが展開していくというような内容。
色々な超常現象が起こって少しづつ謎が明らかになっていくという構成やストーリー展開は、非常にオーソドックスな作りながらも悪くないですし絵作りや雰囲気なんかもそこそこ良く出来ている印象。
ただ、全体的にテンポがいま一つでちょっと地味なんですよね。
悪魔祓いに入ってからの展開はそこそこ盛り上がるのですが、ヒロインに悪魔が取り憑いているのが判明するまでの尺が妙に長くて、お話がなかなか前に進まないために前半部分がちょっと冗長に感じます。
悪魔祓いに入るまでも色々とオカルト的な事件があったり盛り上がる要素も無くは無いのですが、山場と呼ぶにはいま一つ弱いんですよ。
終盤の展開はそこそこ面白く、ちょっとだけ中二病の入ったようなノリのラストとかはなかなか良い感じで個人的には結構好きな部分もあるのですが、強くプッシュできるほどの内容かと言われるといま一歩な感じ…
もうちょっと超常現象とかが派手で見ごたえがある内容ならなぁ…って感じで、どうにも物足りなさの残る作品でした。
総評としましては、『オーソドックスで及第点ではあるんだけどそれ以上でも以下でも無い感じのオカルトホラー映画』って感じの作品です。
ちょっと盛り上がりに欠けるって以外はそこまで悪くは無い出来ではあるので、悪魔祓いものとかのジャンルが好きであればチェックしてみても損は無いかも?
ベースとなる部分や題材は悪くないので、もうちょっと予算とかをシッカリかけて作り込めばそこそこ面白い作品になったんじゃないかと思うので、ちょっともったいない印象を受ける映画でしたよ…