NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デビルシャーク」(3点/モンスター)

イメージ 1

■■■「デビルシャーク」■■■
(3点/モンスター)

 アメリカの片田舎にあるパリス・ランディングという湖畔の町。
 邪教を崇拝し13人の子供を殺した修道女のリンダは、殺した女性を生贄をする事で悪魔の取り憑いたサメであるデビルシャークを召喚する事に成功する。

 デビルシャークは住民を次々と襲い犠牲者を増やしていくが、そんな最中にデビルシャークによって弟を殺された神父のマイケルは、このサメがただの人食いザメではない事を直感。

 サメに噛まれてき生き延びた少女が、悪魔に取り憑かれて怪物と化している事に気付いた事から、悪魔祓いを行おうとするが…



 狂った修道女が呼び出した悪魔に取り憑かれたサメによって湖畔の町がパニックに陥るという、オカルト風味のモンスターホラー映画。

 地雷乱発メーカーのASSAULT1による新作なのですが、クソ映画には慣れっ子の自分でもこれは久々に頭を抱えるレベルの映画でした。

 いや、ストーリーがツマんないとか映像がショボいとか、そういうレベルを超越して何が言いたいのかサッパリ分からないんですよ…
 一言で感想を述べるなら『支離滅裂』としか言いようがないような作品です。

 お話としては、『ある狂った修道女が殺した女性を生贄にして悪魔召喚の儀式みたいなのをしたら、湖にデビルシャークが出現して人々を襲いはじめる』みたいな感じの展開なのですが、そもそもこの悪魔を召喚した修道女が最初と最後にチョロっとしか登場しないために、この修道女が何者で何がやりたいのかが意味不明。

 また、サメに弟を食われた神父がサメの正体が悪魔だと気付いてサメに噛まれた少女の悪魔祓いを始めるんですけど、何でサメに噛まれた少女が悪魔憑きになっているのを知ったのかも良く分かりませんし、神父が本職のエクソシストという訳でも無くて『悪魔祓いの仕方を本で読んだだけ』というアバウトっぷりも凄いです。

 ただ、こういう風にメインのストーリーの流れだけを書いていくと、多少ハチャメチャっぽいけど『デビルシャークと神父が対決するお話なんだろうな』と想像すると思うのですが、実際にはそのストーリーも全体の10%ぐらいの割合しかないのが困りもの。

 じゃあ他のシーンは何をやってるかと言うと、一瞬しか出番のないモブがデビルシャークに食われたり、超自然現象の専門家が調査にきたり、悪魔憑きの少女が暴れたりと色々の事件が起こっているのですが、これらの各々のシーンの登場人物どうしに殆どつながりが無く、シーンにもあまり繋がりが無いため恐ろしいほどに散漫な展開になってしまっており、何が起こっているのか本気で良く分からなくなります。
 (まあもしかしたら、あまりにツマんなくて途中で2回ぐらい寝てしまったせいで分かりにくいのかもしれませんが…)

 でもまあストーリーはさておくとしても、肝心のデビルシャークの暴れるシーンがたくさん見られるならばそれで良さそうな気もするのですが、この襲撃シーンがこれまたビックリするほどお粗末。
 『水中を泳ぐサメのCG(2~3パターンしかない)と湖を泳いでる人を交互に映して、最終的に襲われた湖の人が勝手に沈んで行って終了』というワンパターンなシーンの繰り返しで、そもそも人間とサメの映像を合成する気すら無いという体たらく。

 というか特撮どころか出血するシーンすら殆ど無くて、サメに襲われて重傷の人が写るシーンですら『傷口特殊効果すらなくて身体にちょっと血のりが付いているのみ』という徹底した手抜きっぷりは、流石に低予算にも程があります。

 もう一つの見どころである(はずの)悪魔憑きの少女の方も、勝手に痙攣したり、ゲロを吐いたり、水着の女の子とイチャイチャしてるだけで特に誰にも迷惑をかけるような悪い事をしてない(途中で一瞬だけナンパ男に噛みついてたけど)ので、なんで神父に躍起になって悪魔祓いされないとならないのかの理由が良く分からないレベル。

 というか、そもそも神父が悪魔祓いに成功してもデビルシャークの方は野放しなので、いったい彼は何がやりたかったのか意味不明です。

 ちなみに肝心の神父とデビルシャークの対決は、唐突に『空から降ってきたサメに神父が食われる』という超展開で決着ですし、ラストも思い出したように登場した狂った修道女がいきなりサメに食われるという強引なオチ(映像がはしょられすぎてて、実際には食われたのかも不明)ですし、もうナンジャコリャとしか言いようがありません。(というか修道女が食われても、何も解決してないよね?)

 こんな映画でも頑張って褒めるところを探すとしたら、水着のお姉ちゃんが無駄にいっぱい登場するのでとりあえず目の保養にはなるというぐらいかなぁ?


 総評としましては、とにかく久々に『本気でビックリするほどツマんない映画』としか言いようが無い作品です。

 もしこの映画を70分かけて観るのであれば、その時間を人生にとってもっと有意義な事(例えば昼寝をするとか)に費やした方がよっぽどマシでしょう。
 (ああそういえば苦行が70分で終わるというのも、この映画の良い点と言えるかも…)

 むしろ、世間で良く言われてる『クソ映画』が生ぬるく見えるレベルの『どうしようもないZ級映画』をどうしても味わってみたいというのであれば止めませんので、ツッコミ目的のネタ映画を求めているのであれば敢えて観てみるのも良いと思います。