NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ボーイ~人形少年の館~」(55点/サスペンス)

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■■■「ザ・ボーイ~人形少年の館~」■■■
(55点/サスペンス)

 元夫のDVから逃れるためにアメリカから逃れる事になったグレタは、イギリスの片田舎に住む老夫婦の下で住み込みでベビーシッターをやる事になる。

 老夫婦から8歳の息子の面倒を見て欲しいと頼まれた彼女だったが、老夫婦の言う息子の『ブラームス』は子供の姿をした人形だった。
 最初は冗談かと思った彼女だったが、老夫婦の態度が真剣だった事から仕事を引き受け人形のブラームスの世話をする事になる。

 そんなある日、老夫婦が旅行に出かける事となり、彼女にブラームスを世話するための『10のルール』を残して行くが、監視の目が無い事からついついルールを無視して手を抜いていたところ、人形の周りで奇妙な現象が起こるようになり…



 少年の人形を『息子』として溺愛する奇妙な老夫婦の下でベビーシッターをやる事になった女性が遭遇する恐怖を描いた、オカルト風味のサスペンスホラー映画。

 いわゆる『生き人形』系のオカルト映画で、最近はあまり多くない設定なものの割とオーソドックスなネタを題材とした作品ですね。

 お話としては、『とある老夫婦のもとにベビーシッターに訪れた女性が老夫婦に言われるままに『人形』の世話をはじめるんだけど、やがて人形の周りで奇妙な現象が起こるようになり、人形には果たして本当に命が宿っているのか…』みたいな感じの展開。

 この手の作品のお約束として、序盤は『怪奇現象っぽい事件が少しづつ発生して疑惑を抱いていく』みたいな流れになるのですが、お約束通りに序盤~中盤はちょっと地味な印象。

 古風な屋敷の雰囲気とかは良く出ており、前半のゆっくり目の展開もまあ悪くはないのですが…
 この手の『人形ホラー』って、最大のポイントとして『人形の見た目が怖いか?』って部分が重要なポイントだと思うのですが、残念な事に本作の人形はあんまり怖くないんですよね。

 リアル寄りに作られてるせいで、キレイなんだけどあんまりデフォルメされた不気味さのようなものが感じられず、『この人形が動き回ったところで、そこまで恐怖は感じないかな…』と感じてしまうのが残念なところ。

 ストーリー的にも、特に大きな事件も起こらずに淡々とお話が進んでいくため、いま一つ盛り上がりに欠けます。

 逆に中盤以降の展開は、序盤のゴシックホラー的なノリとは変わっていかにも現代的。

 非常にお話のテンポも速いうえに、ヒロインのDV夫がストーリーに絡んで来たりとか色々と予想外の展開が仕込まれていたりしてなかなかに面白いです。

 残念なのは、盛り上がり始めるのが割と終盤になってからなので、盛り上がってからの尺的にいま一つ物足りなさが残っちゃうんですよね。

 もうちょっと序盤にも何か事件的なネタを仕込むか、あるいはもうちょっと早めに盛り上がる展開になればなぁ…という印象でした。

 あと終盤の盛り上がりに対して、ラストはちょっとアッサリしすぎな印象もあったので、そこはもうひと捻り欲しかったかも?

 ただの『人形ホラー』で終わらせないようにしようという狙いは悪くないですし方向性としては面白いと思うのですが、もう一歩なにか盛り上がる要素があれば…という感じで、ちょっと勿体なさを感じる作品でしたよ。


 総評としましては、ちょっと物足りない部分はあるものの『そこそこ観れるレベルのオカルト風味のサスペンスホラー映画』って感じの作品ですね。

 本作ならではのネタとしての面白い要素も無くはないのですが、オススメする程の面白い映画かと言われると『ちょっと微妙なところ…』ってのが正直な感想です。

 とまれ全体的な完成度としては十分に及第点を満たしてる内容だと思うので、予告とかを見て気になっているならばチェックしてみても良い程度の一本ではあると思いますよ。