NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「センソリア/死霊の館」(40点/サスペンス)

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■■■「センソリア/死霊の館」■■■
(40点/サスペンス)

 30代後半で夫との不仲が原因で離婚し一人暮らしをする事になったキャロラインは、新しい生活を始めるために古びたアパートへと引っ越してくる事となる。

 しかし彼女がそのアパートで暮らし始めてから、物が勝手に動いたり誰も居ないはずの場所で人の気配や物音を感じたりといった、不気味な現象が起こり始める。

 離婚のショックと不気味な現象のストレスから徐々に精神的に追い詰められていく彼女だったが、そんなある日、このアパートに住むというミーと名乗る一人の少女と出会い…



 夫と離婚して古びたアパートに引っ越してくる事となった一人の女性が、アパートで起こる不気味な現象に遭遇するという、オカルトサスペンス映画。

 いわゆる幽霊屋敷というか『幽霊アパート』を題材としたオカルト映画ですが、題材通りに割とオーソドックスな感じの雰囲気の作品ですね。

 なんでもスウェーデン製のホラー映画らしくて、なんとも欧州っぽい独特のジメジメとした雰囲気のある映画なのですが、雰囲気的にはちょっとJホラー的なノリに近いものがある作品かも?

 この独特の『ジメジメとした雰囲気』はなかなかに良い感じで、古びたアパートの雰囲気やら不気味な住人たちやらといったテイストと合わさって、映画全体に重苦しいイメージを漂わせており非常に良い味を出しています。

 それに加えて、いかにも欧州作品らしい独特テイストも合わせて『雰囲気映画』としてはなかなかに良い感じの味わいをもった作品になっている感じですね。

 ただ、確かに『雰囲気映画』としては良い感じではあるのですが、なんというかホントに『それだけの映画』って感じなんですよ…

 不気味な雰囲気は良いのですがそれ以外の何が微妙って、とにかくお話が前に進まなくて全くストーリーが進展しない事。

 お話としては『夫と別れて子供もおらず、全てを失って人生を再スタートするには歳をとりすぎた中年女性が、引っ越してきたアパートで奇妙な現象に遭遇して精神的に追い詰められていく…』みたいな感じの展開なのですが…

 80分ぐらいの尺の映画なのに、60分ぐらいまではたいした事件も起こらないままに『不気味な雰囲気』を延々と引っ張って描くような感じの内容で、いくら雰囲気が良いといっても流石にダレてしまいます。

 またちょっとネタバレになってしまいますが、お話が動き出した後の展開も『事件が起こった後も主人公がひたすら受け身で、特に何もしないままに次のシーンでいきなりオチでエンディング』みたいな感じで、とにかくストーリー的にも演出的にも盛り上がる要素が殆ど無いのは困りもの。

 映像や演出的には見るべき部分も少しだけあるのですが、それ以外の要素が弱すぎて特にストーリーに関しては、『これってその気になったら15分ぐらいの枠に収まるよね?』ってレベルの内容の薄さで、流石に『もうちょっとどうにかならなかったかなぁ?』とツッコミを入れざるを得ませんでした。

 予告とかの雰囲気は良かったのですけど、なんというか予告だけの『出オチ系の作品』とも言えるかも…


 総評としましては、いま一つ盛り上がりに欠ける『オカルト系の雰囲気映画』って感じの一本ですね。

 独特のテイストやら悪くない部分もあるのですが、全体的にどうにも物足りない部分を感じてしまう、ちょっと勿体ない感じの映画でした。

 どうしても気になるようであれば観るのも止めませんが、なんとなくネット配信やらケーブルTVやらに割とすぐに来そうな雰囲気の映画なので、急がないならちょっと様子を見てみても良いかもしれません。