NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「死霊館 エンフィールド事件」(70点/オカルト)

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■■■「死霊館 エンフィールド事件」■■■
(70点/オカルト:オススメ)

 『アミティヴィル事件』を調査した事から有名になり名声を得た心霊研究家ウォーレン夫妻だったが、同時に彼らをインチキだとするマスコミからの激しいバッシングも受けていた。

 そんな最中、英国のエンフィールドで4人の子供とシングルマザーの暮らすホジソン一家が娘の一人を中心に激しいポルターガイスト現象や心霊現象に悩まされている事から、真偽の調査に協力して欲しいという依頼がTV局と教会から舞い込む。

 しかし霊能者である妻のロレインは、霊によって夫が殺されるという悪夢に悩まされていた事から、この事件に不安なものを感じていた…


 英国のとある屋敷で起こったポルターガイスト事件の調査に向かった心霊研究家の夫妻がそこで驚くべき現象に遭遇するという、オカルトホラー映画。

 実在する心霊研究家ウォーレン夫妻をモデルとした死霊館」シリーズの第2弾で、実際に起こった有名なポルターガイスト現象である『エンフィールド事件』を題材とした作品です。

 「死霊館」シリーズとしては、少し前に作られたスビンオフ作品であるアナベル 死霊館の人形」がいま一歩な感じだったので、期待半分といった感じで鑑賞したのですが、ジェイムズ・ワン監督が直接手掛けた本作は流石になかなかに良く出来た内容でしたよ。

 お話としては、『アミティヴィル事件で一躍有名となったウォーレン夫妻が、教会の依頼によって英国のエンフィールドで発生しているポルターガイスト現象を調査する』という感じの展開なのですが…

 主人公たちはアクマで単なる心霊研究家で、もともと凄い能力があるって設定でも無い(一応、奥さんの方は透視能力とかあるけど)ので、発生している心霊現象とか霊の正体とかの『謎解き』がメインという感じの展開ですね。

 ストーリーは実際の『エンフィールド事件』で起こった心霊現象とかをベースに上手く脚色されており、オカルト好きならば『ああ、こういう話、聞いたことある』って感じのあるあるネタが楽しめるのも好感触。

 実話がベースという事でそこまでの派手さは無いものの、逆に実際の事件をベースにしているだけあって細かい部分で妙なリアリティがあって、前作同様にあまりショッカー演出とかに頼らないじわじわとした怖さが感じられる上手い作りになっています。
 (じわじわとした怖さといって『実際にこんな現象が目の前で起こったら、自分なら1日で逃げ出すわ…』という感じのですが。)

 脚色されている内容に関しても、『心霊現象を起こしている霊の正体や目的は何なのか』という謎解きの部分が非常に良く作り込まれており、サスペンスとしても十分に楽しめるレベルに仕上がっているのが良い感じ。

 あまり書くとネタバレになってしまうので自重しますが、ちょっとしたどんでん返し的な要素とかもあったりして最後まで先の展開が読めない作りで楽しませてくれます。

 2時間強という長めの尺のせいで中盤辺りまでがちょっとダレ気味な部分もありますが、ウォーレン夫妻のキャラクターも前作以上に魅力的ですしオチとかもキレイで非常にスッキリと楽しめる感じで、全体的に『前作を上手くブラッシュアップさせた作品』という印象でしたよ。

 ちなみに本作の『エンフィールド事件』も実際に起こった心霊現象なのですが、実際の事件は映画とはかなり違った内容なので、気になる人は調べてみても面白いかもしれません。


 総評としましては、非常に基本に忠実に作られた『良く出来た佳作レベルのオカルトホラー映画』って感じの作品です。

 前作の死霊館」が好きだった人であれば間違いなく楽しめる内容だと思いますので、気になっているのであれば観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 ジェームス・ワン監督は最近はすっかり『オカルトものがメインの監督』という感じになっていますが、この方向性はかなり監督のテイストと合っていると思うので、このシリーズは是非とも次回以降も作っていって欲しいですよ。
 (「ソウ」みたいなノリの作品も久々に観てみたい気もしますけど…)