NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「ドント・ブリーズ」を観てきました。

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 金持ちを狙う窃盗団のロッキーとマニーとアレックスらの3人は、ある日、窃盗グループの仲間から町はずれの一軒家に住む盲目の退役軍人の老人が、交通事故で死んだ娘の示談金として大金を隠し持っているという噂を聞きつける。

 ロッキーは盲目の老人から金を奪う事に抵抗を感じるものの、ごく潰しの不良親から離れて妹と共に暮らすための金を得るために計画に参加する事となる。

 彼らは犯行計画どおりに首尾よく老人の家へと侵入する事に成功するが、その老人は盲目ながらも恐るべき戦闘能力を持った殺人マシーンのような男で、侵入した3人は思いがけない事態へと巻き込まれていくのだった…


 劇場にて「ドント・ブリーズ」を観てきました。

 ゴーストハウスのサム・ライミ製作でフェデ・アルバレス監督という、リメイク版「死霊のはらわた」コンビによる新作シチュエーションスリラー映画で、ホラーファンの間では非常に高い前評判を得ていた作品なのですが…

 いや確かにコレは前評判に違わぬ、近年まれにみるレベルのシチュエーションスリラーの傑作でした!!

 お話としては『窃盗団の若者たちが盲目の退役軍人の家に強盗に入るんだけど、老人が実は「座頭市」ばりの恐るべき殺人マシーンで、若者たちが思いもよらぬ事態へと巻き込まれていく』というような感じ。

 シチュエーションスリラーらしく、狭い一軒の屋敷の中での『盲目の老人』と若者たちのやり取りが中心に話が進んでいくのですが、何が凄いってこのジジイが怖すぎでとにかく最初から最後まで緊張感がハンパ無いです。

 ドント・ブリーズ(息をするな)」タイトルのとおり、主人公たちが老人から逃れるために『息を止めて姿を隠す』ようなシーンが割と頻繁(ひんぱん)にあるのですが、あまりにも緊張感が凄くて観ているこっちまで息を止めてしまいそうになるようなレベル。

 お話の構成も上手くて非常に無駄のないテンポの良い作りで、まったくダレるような瞬間が無いですし、序盤の短い導入シーンなかでシッカリと主人公たちの3人のキャラクターを魅力的に描いているのも良い感じ。

 中盤以降にちょっと意外な展開があってみたりといった観客を退屈させない構成も良く出来ていて、ラストまでオチがどうなるのか全く読めないために最後の瞬間まで緊張感が全く途切れないのが凄い。

 緊張のあまりに、一軒の家が絶望的に広く90分の尺が絶望的に長く感じられて、終盤は本気で胸が苦しくなってきて『もういいから早く映画を終わらせて安心させてくれ…』と考えてしまうようなレベルでした。

 ただ個人的には非常に楽しめた映画ではあったのですが、割と『デカい音でビビらせる』ようなショッカー系の演出が多めだったのは、ちょっと残念な部分かなぁ?(特に銃の音デカすぎ…)
 (そういう演出が苦手な人は、むしろ安心できる自宅で観た方が良いかも…)


 総評としましては、『20年に一本』は大げさにしても『数年に一本出るか出ないかのレベルの傑作シチュエーションスリラー映画』って感じの作品です。

 自分も大絶賛してるように『シチュエーションスリラーとかが大好きな人には間違いなくオススメ』なのですが、まあ言っても『低予算のシチュエーションスリラー映画』で全体的にお話は地味目なので、過剰な期待はしない方が良いかも…

 あと、色んな意味で『非常に疲れる映画』なので、胆力が十分に満たされてる時に観た方が良いとは思いますが、とりあえず気になっているならばなるべく早く観に行っておいた方が良い一本だと思いますよ。
 (そもそもロングランされるような映画でも無さそうなので…)