NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ポゼッション・エクスペリメント」(40点/オカルト)

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■■■「ポゼッション・エクスペリメント」■■■
(40点/オカルト)

 宗教学を受講する大学生のブランドンは、宗教学の最終課題として悪魔祓いを調査した記録映画を作る事となる。

 彼は同じゼミを受講する友人のクレイと共に、20年前に実際に起こり関係者のほぼ全員が死亡したという悪魔祓いの事件を調査。
 過去にその事件のあった廃屋で悪魔召喚の実験を行い、その様子をリアルタイムでネット配信する事となる。

 しかし事件の調査を進めていくうちに彼自身の過去にまつわる驚くべき秘密が明らかになっていき、彼の「実験」は予想外の事態へと発展していくのだった…



 宗教学に傾倒するあまり研究課題として悪魔召喚の実験を行った青年が恐るべき事態へと巻き込まれていくという、サスペンス風味のオカルトホラー映画。

 なんか設定だけ聞くと、モキュメンタリー(なんちゃって実録)風のオカルトホラー映画のような印象を受けるタイトルですが、ちょっとだけモキュメンタリー風味な部分もあるものの基本的には普通のオカルト映画って感じの内容ですね。

 お話としては、とある大学生が学校の課題として『悪魔祓い』を題材とした記録映画を撮ろうとするんだけど、過去の悪魔祓い事件を調査しつつ悪魔召喚の実験をやるうちに意外な事実が判明、ついでに予想外の事態に発展して大変な事に…みたいな内容。

 映画の中身の方は割とオーソドックスなオカルト作品といった感じながらも、悪魔召喚の実験費用をクラウドファウンディングで募ったり、儀式をYoutubeで配信してみたりといった辺りは、いかにも現代的なオカルトネタという感じでちょっと面白いです。

 ストーリーに関してもただの『悪魔憑き』のお話かと思いきや、主人公が調査する過去の事件に意外な秘密があったり、予想外の人たちがお話に絡んできて矢鱈とスケールのデカい話になったりと、なかなか捻りが効いてるのは良い感じ。

 ただ設定とかアイデアとかにそこそこ観るべき部分はあるものの、それ以外の部分が物凄く安っぽくていま一つなのは困りもの。

 映像や雰囲気からして非常に低予算が手に取るように見えるレベルで、どうにも映像がチープなうえにショボくて観ていて盛り上がりに欠けます。

 また、おどろおどろしい雰囲気やスタイリッシュな雰囲気を出そうとしているシーンに関しても、やろうとしている演出に技術が追いついておらず全体的に単に野暮ったい雰囲気の映像になってしまっているのも痛い。

 お話の方は、確かに終盤の展開はちょっと意外性があって面白いのですが、お話が動き出して盛り上がってくるまでが長くて、それまでの展開がちょっと冗長で退屈してしまうような内容なんですよね。

 また終盤の盛り上がりに対しても、ラストは物凄くアッサリしてて肩透かしな感じですし、事件の黒幕っぽい人たちも『結局なにがやりたかったんだよ?』って感じの扱いですし…

 あと『悪魔召喚の儀式をネット配信する』みたいなネタが仕込まれている割には、その設定があまり有効活用されていないのも残念な感じだったので、お話にせよ設定にせよ全体的にもうちょっと作り込んで欲しい部分が多い印象というを受けた作品でしたよ。


 総評としましては、悪くはない部分もあるものの全体的に見ると『地味で盛り上がりに欠けるオカルトホラー映画』って感じの作品です。

 まあ、設定とかアイデアとかに観るべき部分も無くはないのですが、基本的に低予算で安っぽい作品ですのでC級とかD級程度のノリの映画だと思っておいた方が良いかと…

 オカルト大好きで気になっているのであれば観るのを止める程では無いので、『観てみたい人はお好みで…』といった感じの一本ですかね。