■■■「ジュラシック・リボーン」■■■
(55点/モンスター)
ある日、ロスアンゼルスに謎の隕石群が落下。
造園業を営むジョナスとラースは、行きつけのバーの店員のキャンディスから、隕石を拾って大金持ちになった知人の話を聞いた事から、一獲千金を夢見て自分たちも隕石を探しに向かう。
首尾よく隕石を発見した彼らは、それを持ち帰ってキャンディスに見せに行く事となるが、その途中で巨大な翼竜のような怪物に遭遇。
攻撃してきた怪物をなんとか撃退してキャンディスの家までたどり着くが、そこで街が翼竜の大群によって攻撃を受けている事を知り…
宇宙から飛来した隕石に乗って現れた謎の翼竜の大群が街を襲うという、モンスターパニック映画。
「ジュラシック・リボーン」なんてタイトルが付いていますが、登場するのはプテラノドン風の翼竜だけなのであんまり『ジュラシック』って感じではないものの、タイトルへのツッコミどころを気にしなければ割とごく普通のモンスターパニック映画って感じの作品ですね。
お話としては『謎の隕石の落下とともに翼竜の大群が出現して街がパニックに陥るんだけど、実は主人公たちが拾った隕石がただの隕石では無くて…』みたいな感じの内容で、非常に分かりやすい感じのオーソドックスなお話です。
主人公たちは基本は怪物から逃げ回りながらも、なんとかして怪物を撃退しようとするというお約束な展開で、無駄な伏線やら前振りやらが無いおかげで非常にお話がテンポ良くサクサク観れるのは良い感じ。
怪物はプテラノドンにしては矢鱈とガタイが良い見た目ながらも、まあまあ迫力があって可も不可も無い感じのデザインですし、低予算故にCGがちょっと背景から浮いてる印象はあるけど怪物の出番や露出もそこそこ多いのでそこまで不満は無い印象。
また序盤はちょっとだけ怪物の出し惜しみ感があって物足りない感じもあるものの、終盤では友人を救出するためにお手製武器を作って怪物との対決に向かったりとなかなか熱い展開があったり、主人公たちのキャラクターも意外とキチンと描き込まれていて割と魅力のあるキャラだったりしますし、お話の構成もキャラも含めて全体的に割とシッカリと作り込まれている印象を受けます。
ただシッカリとは作り込まれてはいるものの、やはり低予算なために『物凄くドラマのスケールが小さい』のは残念なところ。
『街全体が怪物の襲撃を受けている』という設定の割には、怪物の襲撃シーンやパニックシーンでは基本的に主人公たちの5人ぐらいしか人物が出てこない(ごくたまに襲われるだけのモブが1~2人ぐらい登場する)感じで、街中のそこらじゅうに翼竜が飛び回っているのに襲われてるのも戦っているのも主人公たちだけってのは流石に違和感があります。
加えて、破壊シーンやら災害シーンも控えめで全体的に迫力が無いため、どうにも非常に地味な印象はぬぐえません。
やはり、ここまで低予算だと街全体を巻き込んだパニック映画にするのは、ちょっと無理があったんじゃないかなぁと…
ただ妙に細かく作り込まれている部分も多くて、例えば主人公は『日曜大工や工作が好きな園芸業者』って設定なんだけど、この設定が終盤で怪物と戦う時に活かされていたりとか(化学肥料を元に爆発物が作れるため)、割とどうでも良さそうな部分がシッカリと作り込まれていたりと好感触なところも多いので、ひたすら低予算なところがなんとも勿体なさを感じる作品でしたよ。
総評としましては、非常に低予算臭さはあるものの「思ったよりもシッカリと作り込まれたモンスターパニック映画」という感じ。
まあお話のスケールや映像にさえ目をつぶれば、それなりには楽しめるモンスター映画だと思いますので、そういうジャンルが好きであればチェックしてみても良いかもしれません。
個人的には、全く期待していなかったので『思ったよりも楽しめた作品』という感じの一本でしたよ。