（３０点／サスペンス）
新型の薬剤耐性を持った最近のパンデミックにより人類の殆どが死滅し文明が崩壊した世界。
生き残ったわずかな人々は残された資源や食料を奪い合い、世界は無法地帯となっていた。
そんな中、郊外の一軒家で家族と共に無法者たちから隠れて暮らすジャックは、ある日、物資の補給に屋外を散策していたところ、バイクで事故を起こして動けなくなっている青年を発見し、自宅に保護する。
回復した青年から、兄が住む『人々が身を寄せ合い助け合って暮らす共同体』へと向かう途中だったという話を聞かされたジャックは、最初はその話を単なるマユツバだと断じるが、そんな矢先に彼らの自宅を無法者の集団が襲撃。
なんとか無法者たちの襲撃を逃れた彼らは、青年と共に彼の兄が暮らすという『共同体』へ向かう事となる…
文明の崩壊し無法地帯と化した世界で、無法者に家を追われた家族が安住の地を求めてさまようという、サバイバルアクション風味のサスペンス映画。
『謎の細菌によって文明が崩壊』とかっていうとゾンビものっぽい印象を受けますが、特にゾンビとかそういうのは出てこない普通のサバイバルアクション系の映画です。
なんか設定だけ聞くと派手な印象を受ける作品ですが、実際の中身の方は『とにかく地味な映画』ってのが正直な感想ですね。
文明崩壊後の世界で無法者たちが物資を巡って争っているといっても、別にモヒカンやスキンヘッドのバイカーとかパンク集団も出てこないですし、やたらとトゲトゲの付いた改造車なんかも出て来ません。
お話の基本的な流れとしては、主人公たちが人目を避けつつ物資を集めに行って、たまにガラの悪いオッサンたちに遭遇したら身を潜めてやり過ごす…みたいな展開がメインで、中盤ぐらいまでは冗長なうえにひたすら地味で盛り上がらない展開が続きます。
終盤は家を追われた主人公たちが安住の地を目指してさまようロードムービー的な流れになるのですが、屋外を旅してても基本的には『敵から隠れてやり過ごす』というパターンがメインで、そういったやり過ごすシーンもそこまで緊張感がある訳でも無いので、あいかわらず盛り上がりに欠ける内容です。
また、アクションとかが殆ど無い代わりに人間ドラマ的な部分が深く描かれているのかというとそういう訳でもなく、助けた青年と主人公たちの間に絆や信頼が生まれるような描写も無いですし、主人公たちのキャラクターが深く掘り下げられる訳でも無いので、とにかくコレといった見どころがありません。
ラスト辺りでちょっとだけ盛り上がる要素があってオチのまとめ方とかは無難な感じで悪くないので、観終わった後に『なんじゃコリャ？』とはならなかったのが唯一の救いですけど、本作の面白かったところを挙げろと言われたら９０分かけてもう一回検分しつつ見直してもほぼ思いつかないと思われるので、正直いって時間の無駄かなぁ…という感じ。
総評としましては、なんというか『ひたすら盛り上がりに欠ける退屈な映画』というのが正直な感想です。
観終わった後に『退屈だった』という以外には殆ど何の感想も残らなかったような作品なので、敢えて本作を観なければならないような理由や動機は思いつかないような映画ですねぇ。
よほど物好きでなければ…というかネタ映画として観るにも普通にツマんなくて弱いので、よほどの物好きでも普通にスルーしてしまっても良い作品て感じではないかと…
（正直、このぐらいのレベルの『箸にも棒にも掛からないような微妙な映画』が一番評価に困る…）
