（６５点／サスペンス：結構オススメ）
アメリカ南部の田舎町で暮らすジョンとロージーは、この町から逃げ出してメキシコへと移住する資金を貯めるために麻薬の売人として働いていた。
そして遂に金が貯まっていよいよ脱出しようというその日に、帰宅したジョンはロージーが自宅から姿を消している事を知る。
自宅にあった望遠鏡が、牧場に住む不気味な隣人であるトロイの家に向けられていた事から不審なものを感じたジョンは、隣人の外出中に彼の自宅へと侵入。
その場所で地下室の鉄の檻に閉じ込められたロージーと別の少女を発見。
なんとか彼女たちを救出しようとするが、その前に隣人が自宅へと帰って来てしまい…
麻薬売買を行うカップルが、隣人の恐るべき秘密を知ってしまった事から地下室に監禁されて予想外の事件へと巻き込まれていく…という、サスペンススリラー映画。
この作品の監督のマーカス・ダンスタンって、どこかで聞いた事がある名前だと思ったら「ワナオトコ」を撮った監督さんなんですね。
「ワナオトコ」はなかなか個性的な設定の子気味良いスラッシャーホラー映画でしたが、本作も同様に低予算ながらもなかなか良く出来たサスペンススリラーという感じの作品です。
お話としては、『麻薬売買を行う主人公の恋人がとある事件に巻き込まれた事から隣人の地下室に監禁されるんだけど、主人公が恋人を助けるために隣人宅の地下室に侵入したところとんでもない秘密を知ってしまい…』という感じのお話。
設定だけ聞くと『「ワナオトコ」と同じような監禁ものスリラーものかな？』って感じなのですが、そう思わせておいてなかなか一筋縄では行かない展開なのが良い感じ。
ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、中盤以降はホントに物凄い勢いで事態が二転三転していって、全く先の展開が読めないに突入していくのが面白いですね。
とにかく非常に展開が早くて、主人公たちが絶体絶命かと思いきや次のシーンでは一転攻勢に出たりと、ホントにジェットコースターのような勢いでお話が進んでいくので非常にスピード感があって退屈しません。
登場人物も主人公たち以外の人質とかも割と頭が良くて、足手まといになってイライラさせられるようなキャラが居ないのも、テンポの良さを増している一因かも？
ただ非常にテンポが良いだけあって、逆にそこまでお話の深みとかキャラクターの掘り下げとかは無くて、お隣の殺人鬼一家のキャラクターとかにそこまで魅力が感じられないのは、ちょっと残念なところかなぁ…
オチもキレイにはまとまっているのですが、ちょっと物足りない部分もあったので、もうちょっとクライマックスとかに山場的に盛り上がる要素があっても良かったかも？
総評としましては、低予算ながらも『非常に軽快に楽しめるＢ級サスペンススリラー映画』って感じのお話ですね。
監禁ホラーとかサスペンススリラーとかが好きならばごく普通に楽しめる内容だと思いますので、興味があるならば観ておいて損は無い一本でしょう。
全くマークしてなかった作品ながらも予想外に楽しめた掘り出し物という感じでしたので、個人的には割とオススメの作品ですよ。
