NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「YOU ARE NEXT ユー・アー・ネクスト」(55点/サスペンス)

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■■■「YOU ARE NEXT ユー・アー・ネクスト」■■■
(55点/サスペンス)

 過去に大学寮の入寮テストと称した新人いじめで、寮の仲間たちとともに一人の男子生徒を死なせてしまったメレルは、事件自体は無罪となったものの当時の悪夢にずっと悩まされていた。

 それから2年後、大学を卒業する事となった彼女は、事件の当事者である同じ寮のメンバーらと共に6人で湖畔のコテージにバカンスに出かける事となるが、そのバカンスの初日の夜に鉄の仮面を付けた『仮面の男』が彼女を襲撃。

 彼女は襲撃の件を友人たちに相談するものの『事件を気に病むあまり彼女の見た妄想ではないか』と逆に疑惑を抱かれてしまい失望するが、その翌日に仲間の一人のキムが何者かに襲撃されて意識不明となる重傷を負うという事件が発生し…



 2年前に悪ふざけによって一人の生徒を死なせてしまった若者たちが、卒業旅行の最中に『仮面の男』の襲撃を受けて命を狙われる…という、オランダ製のスラッシャー風味のサスペンスホラー映画。

 何かもう設定からしてどこかで聞いたような…というかまるっきり「ラストサマー」と「スクリーム」を足して2で割ったような設定のお話ですが、実際の中身の方もまるっきり両作品へのオマージュ的な作品という感じですね。

 お話としては、『過去に悪ふざけが乗じて一人の生徒を殺してしまった若者たちが、卒業旅行の最中に何者かに命を狙われるが、襲撃の状況から実は仲間のうちに犯人が居るのではないかと疑惑を抱くようになり…』みたいな展開。

 いわゆる『登場人物みんなが怪しい』ってタイプの謎解きサスペンスなのですが、『先の読めないサスペンス』と言えばそうなのですが、逆に言えば「スクリーム」のヒット後に流行した『青春スラッシャーホラー映画』のテンプレート的な展開とも言える感じの内容のお話です。

 登場人物にそれぞれ不審な点があって、『もしかしたらこいつが怪しいのでは?』といった疑心暗鬼的な雰囲気は割と良く出来ており、次にどうなるのかの展開がなかなか読めないという点はなかなか良く出来ていますね。

 登場人物のキャラクターもなかなか良く立っていて人間関係も分かりやすいですし、殺人鬼が襲撃の際に『リベットガン』やら『電気ノコギリ』やら矢鱈と色んな工具を使い分けて、襲撃シーンにバリエーションを持たせているのもなかなか良い感じ。

 ただ、サスペンスとしては良く出来ているもののミステリーとしては微妙な部分も多く、海外のTVドラマみたいに後出しで『意外な事実』が次々と出てくるパターンが多くて、謎解きに関しては観ていてちょっとモヤっとします。

 また尺が120分ぐらいと長めで、お話が無駄にあっちに行ったりこっちに行ったりする感じの展開が多くて、ちょっと冗長に感じてしまう部分があったのも残念なところです。
 (特に殺人鬼が犠牲者を『半殺し』にして放置するシーンが多くて観ていてなんかモヤモヤしました。やるんならしっかりトドメさせや!!(笑))

 あとややネタバレになってしまいますが…

 本作の一番残念な点として、『意外な展開』を狙うのは良いのですがお話があまりにも「青春スラッシャーホラー」のテンプレート的な展開すぎて、逆になんとなく『意外な犯人』の予想がついてしまうんですよ。(笑)

 「スクリーム」や「ラストサマー」をリスペクトした作品としては方向性は間違いじゃ無いんですが、この辺はもうちょっとどうにかして欲しかった部分と言えるかも?


 総評としましては、まるでテンプレートに沿って作られたような感じの『そこそこ良く出来た青春スラッシャーホラー系サスペンス映画』って感じの作品です。

 全体的な出来は悪くはないのですがいまひとつ目新しさは感じられませんし、全体的にストーリーにちょっと雑な部分も多いため、この手の作品が好きな人ほど物足りなさを感じてしまう内容かも?
 (逆にこの手の作品をあまり見た事が無い場合は新鮮に楽しめるかも?)

 まあスラッシャーとしてもサスペンスとしても及第点は満たした作品だと思いますので、気になるのであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。