NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グースバンプス モンスターと秘密の書」(60点/モンスター)

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■■■「グースバンプス モンスターと秘密の書」■■■
(60点/モンスター)

 ニューヨークから母親と共にデラウェア州の田舎町に引っ越してきた高校生のザックは、引っ越ししてすぐに知り合った隣人のハンナという少女と仲良くなる。

 しかし彼女の家から聞こえる不気味な悲鳴や、父親の怪しげな態度に不審なものを感じた彼は、ハンナが虐待されているのではないかと疑いを抱き隣家に侵入。

 その家で、厳重に鍵がかけられた「グークバンプス」という児童向けのホラー小説の原稿を発見した彼が興味本位で鍵を開けてみたところ、本の中から怪物が出現して大暴れを始めるという事態が発生。

 ハンナと協力してなんとか怪物を本に戻したザックだったが、実は隣家に住む住人こそが「グークバンプス」の作者であるR.L.スタインで、彼の書いた原稿の怪物は『本に閉じ込めておかないと現実世界に出現して暴れ出してしまう』という驚くべき事実を知らされる。

 そしてそんな矢先に、封印されていた怪物の群れがふとしたミスをきっかけに次々と解き放たれていき…



 児童向けのホラー小説のモンスターたちが小説から現実に次々と解き放たれて大暴れを始めるという、冒険映画風味のモンスターホラー映画。

 ちなみにタイトルの「グークバンプス」って何なのかと思いきや、どうやら児童向けのホラー小説として欧米で人気のある作品シリーズのタイトルで、その作品群を題材とした冒険映画という感じのお話のようです。

 元々が児童向けのホラー文庫が題材となっているだけあって、映画の方もどちらかというと子供向けとかファミリー向けに作られた印象の作品といった感じで、ホラー要素よりも冒険要素やコメディ要素が強めの内容ですね。
 ホラー版の「ジュマンジ」みたいな作品と言えば、なんとなく想像がつく感じの映画かも?

 お話としては『ある少年が引っ越してきた家の隣人が実は人気ホラー作家のR.L.スタインで、彼の書いたホラー小説のキャラクターたちは原稿に封印しておかないと現実世界に出現して暴れ出してしまうという事実を知らされるんだけど、ある事件をきっかけに全ての小説の怪物たちが次々と現実に解き放たれる事となり…』といった感じのストーリー。

 児童向けの人気シリーズだけあって怪物の種類やバリエーションはコテコテなうえに無駄に豊富で、雪男や狼男に始まって、ゾンビや人食い植物、巨大カマキリやエイリアンといった怪物が次々と現実世界に出現するという流れは、ホントにコテコテながらもなかなか盛り上がって面白いです。

 登場人物のキャラクターも、ジャック・ブラックの演じるR.L.スタインは相変わらずの怪演でなかなか良い味を出していますし、主人公やヒロインやらのメインキャラクターたちもコミカルに描かれています。

 作品のテンポも非常に良く、B級作品としては割と予算もかかっているのでCGなんかもキチンと観れるレベルに仕上がっているため、全体的に観ていて非常に楽しい内容の映画になっているのは良い感じ。

 ただ、ファミリー向けの冒険映画としては割と良く出来ているのですが、ホラーとして観ると正直言って微妙な出来なのは残念なところ。

 ファミリー向けだけあってか、子供が観ても怖くないようにモンスターの攻撃がかなり手加減されており、モンスターの襲撃シーンがちっとも怖くないのは困りもの。

 モンスターが大量に登場する割には、どのモンスターの暴れっぷりもイマイチですしモンスターの攻撃にもあまり個性が活かされてないため、ホラーとしてはどうにも盛り上がらないんですよね。

 正直いって、途中で作品のノリから『死人とかが絶対に出ないタイプの映画』なんだろうというのが分かってしまうために、緊迫するシーンでも緊張感が全く感じられないのは困りものです。
 いくらファミリー向けでも『悪役や性格の悪い人が殺される』程度のシーンは入れるなりして、パニックシーンとかはもうちょっと緊張感がある感じにしても良かったんじゃ無いかと…


 総評としましては、コメディ風味の冒険映画として観るならば『そこそこ楽しめるレベルのモンスターホラー映画』って感じの作品ですかね。

 普通のホラー的なノリを期待してると肩透かしを食らってしまうと思いますが、『安心して観れるファミリー向けのホラー風味の冒険映画』を求めているのであれば割とツボにハマる作品だと思いますので、その手の作品を探しているならどうぞという感じ。

 まあでも、微妙な映画が多いことでお馴染みのTSUTAYA先行レンタル』の作品としては、割と良い感じの作品ではありましたよ。