NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「満月の赤ずきん/戦慄の狼少女」(40点/サスペンス)

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■■■「満月の赤ずきん/戦慄の狼少女」■■■
(40点/サスペンス)

 アメリカの郊外の街で、満月の夜の度に少女が狼の牙で引き裂かれたかのような方法で虐殺されるという、不気味な連続殺人事件が発生していた。

 そんなある日、女子高生のローレンは友人からパーティに誘われるも、月に一度の『家のしきたり』という理由でパーティを断ってお婆さんの家に泊まりに行く事になる。

 お婆さん宅で、ヘルパーのアルバートという男性から祖母が眠っていると告げられた彼女は彼と一緒に祖母が目を覚ますのを待つ事となるが、ワインを飲んでいるうちに気分が悪くなったことからバスルームに向かったところ、祖母が何者かに殺害されているのを発見。

 彼女はとっさに家から逃げ出そうとするが、アルバートによって家の中に閉じ込められてしまい…



 赤ずきんになぞらえた猟奇殺人事件の相次ぐアメリカ郊外の街で、殺人鬼によって一人の少女が命を狙われるが、その少女は実は…という感じの、オカルト風味のサスペンススリラー映画。

 お色気系の作品のリリースでお馴染みのコンマビジョンの配給で、いわゆる超低予算系のホラー映画なのですが、完成度はさておきアイデアだけはなかなか秀逸な感じの作品ですね。

 お話としては『とある女子高生が『家のしきたり』として月に一度だけお婆さんの家に泊まりに行くんだけど、お婆さんの家に訪れたヘルパーの男性が実は殺人鬼でお婆さんは既に殺害されており…』といった感じのストーリー。

 赤ずきん(の狼)になぞらえて連続殺人を繰り返す殺人鬼』という設定はなかなか面白く、『狼の頭蓋骨で犠牲者を引き裂く』という殺人鬼の殺害方法も個性的ですし、映画のストーリー自体が赤ずきんをオマージュした内容になっているのも凝っていて良い感じですね。

 それでいて、殺人鬼に閉じ込められた少女の『監禁系シチュエーションスリラー』なのかと思いきや、中盤からとんでもないオカルト系の方向にお話が転がっていくのも意外性があって楽しめます。

 ただ、こういった基本設定の部分は面白いのですが、肝心の映画の中身がどうにもテンポが悪くてイマイチなんですよ…

 中盤までの殺人鬼がメインのシチュエーションスリラー的な部分は、それなりにテンポが良くて面白い感じなのですが、中盤のオカルト的な展開に突入してからの流れが物凄く冗長。

 中盤から『謎の提示』と『謎解き』を一気にやってしまうものだから妙に説明的なシーンが多いうえに、後半は殆ど事件らしい事件も起こらないままお話が進むので、どうにもダラダラとした印象になってしまっています。

 いわくありげに登場した検死官のオッサンもたいして何をやる訳でも無いですし、せめて後半にももうちょっと山場になるシーンがあれば割と観れる映画になったと思うんですけどねぇ…
 クライマックスに向かって、どんどん尻すぼみに盛り下がっていく感じの構成なのがなんとも残念でした。

 あと割とどうでも良い事なのですが、本作のプレス向けの予告のあらすじが、ビックリするぐらいって本編と流れが違うんですが、このメーカーの担当者はホントに映画を観てから書いてるんですかね…


 総評としましては、設定やらアイデアやらは悪くない感じなんだけど中身の方は『どうにもテンポが悪くて退屈な低予算ホラー映画』ってのが正直なところです。

 個人的には全く期待しないで観たので思ったより楽しめる内容ではありましたが、『もうひと頑張りして欲しかった』ってのが正直なところですかねぇ…

 敢えて推す程の内容ではないものの、TVとかWeb配信とかで無料で観れるならばそれなりに良い感じの映画ではあると思うので、そういう機会があればチェックしてみても良い感じの作品ではないかと思います。