NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「WE GO ON-死霊の証明-」(50点/オカルト)

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■■■「WE GO ON-死霊の証明-」■■■
(50点/オカルト)

 ビデオ編集者のマイルズは、過去に負ったトラウマのせいで自分の死の瞬間の悪夢を見つづけるという症状に悩まされていた。

 そんなある日、彼は死の恐怖を克服しトラウマを治療するために、自分に対して霊や前世といった何かを用いて『死後の世界が存在すること』を自分に証明した人間に対して、3万ドルの賞金を出すという新聞広告を出す事となる。

 募集に応じて彼のもとに千件以上の応募のメールが寄せられるが、彼はその中から見込みのありそうな3人の候補者を選抜。
 彼の精神状態を案じる母親とともに3人と面談を行う事となるが…



 過去のトラウマから『死の悪夢』に悩まされる男が、トラウマを克服するために『死後の世界が存在すること』を証明できる人間を探す事となるが…といった感じの、オカルトホラー映画。

 設定だけ聞くと「ヘルハウス」とか「ラザロ・エフェクト」みたいな『研究者が事件に巻き込まれる』系のオカルト作品っぽいですが、実際の中身の方は『トラウマを克服しようとする男性が死後の世界の秘密を探るうちにとある事件の真相に近づいていく』という、サスペンスのテイストの強い作品ですね。

 お話としては『とある男性が『死後の世界が存在すること』を証明できる人を探して広告を出すんだけど、集まった面々はうさん臭い連中ばかりで失望していたところ謎の男性から連絡を受け…』といった感じのお話。

 興味本位から『死後の世界』の秘密を探ろうとしたところ、実際に『死者の姿』が見えるようになってしまい…という、ある意味でお約束な感じの展開なのですが、単なる霊の恐怖を描いたオカルトじゃなくて『彼の周りに現れる霊が実は色々と秘密を持っており』といった感じのサスペンス仕立ての展開になっているのは、なかなか捻りが効いてて面白いですね。

 またお話のテンポも割と良くて、序盤のダルそうな導入部分でも『インチキ研究家』が登場してみたりとかネタ的にも楽しめる要素が多く、終盤はちょっと意外な展開に突入していくので、あまり冗長だったり退屈に感じる部分が少ないのは良く出来ているところ。

 登場人物に関しても、彼の身を案じてついてくる母親がちょっと曲者っぽいキャラクターだったりと、色々と一筋縄では行かない感じの設定なのもなかなか意外性があって良い感じです。

 ただそういった『捻りの効いた設定』は面白いとは思うものの、それ以外の部分に関してはいま一歩な印象の部分が多いのは残念なところ。

 全体的にシナリオは良く練られているとは思うのですが、これといった山場になるような部分が少なくて、どうにも盛り上がりに欠けます。

 特にオカルトとしての映像表現がイマイチで、絵的な怖さがあまり感じられないのは辛いところで、この心霊表現があまり怖くないため『主人公の危機感』のようなものがあまり伝わって来なくて観ていてもあんまり恐怖心が起こらないんですよ。

 あと、ラストの謎解きとかもちょっと意外性があって面白かったのですが、最後のオチはちょっと蛇足っぽいので必要なかったんじゃないかなぁ…


 総評としましては、ネタとしては悪くないものの『どうにもパッとしない印象のオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。

 ストーリーやアイデアには面白い部分も多いんですけど、映画全体として見るとイマイチな部分が多くて、ちょっと微妙な出来になってしまっているかなぁ…というのが正直なところ。

 まあ普通に観れる程度の作品ではあるので、気になるのであれば観るのを止める事はしませんが、積極的にオススメする程でも無いと思うので『その辺はお好みで』といったところでしょう…