NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・サファリパーク」(55点/モンスター)

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■■■「ゾンビ・サファリパーク」■■■
(55点/モンスター)

 10年前にゾンビによる世界的なパンデミックが発生、ゾンビ世界大戦により20億の人命が失われる事となる。
 なんとかゾンビとの戦いに勝利した人類は、生き残ったゾンビたちを厳重に警備された一つの島に集め、その島を『リゾート』と名付けてゾンビ狩りを楽しむ金持ちやゾンビによって家族たちを殺された人々が復讐心を満たすためのリハビリ施設として利用していた。

 そんなある日、ゾンビ戦争によって父親を亡くして心に傷を負ったメラニーは、恋人のルイスと共に心の傷を癒す効果のあると言われるゾンビ狩りのツアーに参加する事となる。

 しかし彼らがツアーを楽しんでいる最中に、何者かが『リゾート』のシステムへと侵入。
 システムにウイルスを仕掛けた事から、設備の警備システムは破壊されてゾンビが島中に解き放たれてしまい…



 かつてのゾンビのパンデミックによって人類の多くが死滅した世界で、ゾンビ狩りを行うツアーに参加した人々が解き放たれたゾンビによってパニックに陥るという、モンスターホラー映画。

 『ゾンビが解き放たれた島でゾンビ狩りを行うリゾート施設で、システムが破壊されてゾンビが解き放たれる』という、一言で言ってしまえば『ゾンビ版ジュラシックパーク』みたいなお話ですね。

 なんか『ゾンビ狩りの娯楽施設』って設定だけ聞くと『そんなアホみたいな設定があるか!!』という感じなのですが、こんな設定の割には内容の方は大真面目でシリアスなゾンビ映画という感じの作品です。

 お話としては、『ゾンビが解き放たれた島から主人公たちが何とかして脱出しようとする』というごくごくオーソドックスなパニック映画という感じの内容。

 ただ単なるパニックものではなくて、ゾンビの人権を保護しようとする保護団体が登場したりパークに意外な秘密があったりと、ストーリーがちょっと一筋縄では行かない感じになっているのは面白いです。

 またこんな映画の割には予算は結構かかっているようで、映像や特撮はキチンと作られているのでパークの巨大なスケール感やらが感じられて全体的にビジュアルに迫力があるのは良い感じですね。

 ただパニック映画として面白いかと言われるとちょっと微妙なところで、全体的にお話にメリハリが無くて見どころに乏しいのは困りもの。

 ゾンビの襲撃シーンはそれなりにあるものの、山場となるようなシーンが
あまり無く戦闘にもいま一つ迫力が無くて、全体的に緊張感が薄くて淡々とした感じでお話が進んでいく
んですよね。

 登場人物たちに魅力が薄いのも困りもので、特に主人公は父親を失った『過去のトラウマ』が何かのキーになるのかと思いきや、別になんの解消もしないままお話が進む感じですし、他のキャラクターに関してもあまり個性が感じられずに殺される頭数みたいな扱いで、どうにも盛り上がりません。

 終盤~ラストにかけての展開は少しだけ緊張感があって面白いのですが、それ以外にあまり見どころが無くてアッサリしすぎな印象があったので、ゾンビの方々にはもっと頑張ってドッタンバッタン大騒ぎしていただきたかったところですよ。

 ただオチが単なる投げっぱなしではなく、ちょっと捻りが効いた感じになっているのはなかなか良かったです。


 総評としましては、こんなアホみたいなタイトルの割には『思った以上にシッカリと作られたゾンビ映画という感じの作品ですね。

 映像や特撮がシッカリしており、パニックもの系の作品が好きならばそれなりに観れるレベルに仕上がっているので、その手のジャンルが好きであればまあまあ普通に楽しめる内容だと思います。

 強くオススメするほどでは無いですが、ゾンビものが好きであれば観ておいても損は無いとは思いますので、タイトルとして気になるならばチェックしておいても良いんじゃないかと思いますよ。