NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「31」(55点/スラッシャー)

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■■■「31」■■■
(55点/スラッシャー)

 1976年の10月31日。
 キャンピングカーでハーレーヴィルという街を目指していた8人の男女は、深夜に何者かの襲撃を受け、3人は殺害され5人は巨大な廃工場のような場所へと監禁されてしまう。

 彼らを拉致した何者かは、彼らに「31」と呼ばれるゲームに参加する事を強制。

 そのゲームのルールとは、『これから12時間、彼らが施設に送り込む刺客である殺人ピエロと粗末な武器を手に戦って、生き延びることができたもののみが解放される』という恐るべきものだった…



 ハロウィンの夜に何者かに拉致された5人の男女が、廃工場のような場所で殺人ピエロたちと戦う事を強要されるという、殺人ゲームを題材としたスラッシャーホラー映画。

 ヘヴィメタルバンドである「ホワイトゾンビ」のロブ・ゾンビが監督するスラッシャー映画で、この監督としては久々の新作にあたる作品ですね。

 もうホラー映画の監督業もすっかり板についてきた感じのロブ・ゾンビですが、本作は今までの彼の作品のなかではパンチに欠ける雰囲気の漂う作品かも?

 お話としては『キャンピングカーで旅行をする男女が何者かに拉致されて、金持ちの道楽として「殺人ピエロ」と戦うデスゲームに参加させられる』というような感じのストーリー。

 設定としてはまあまあありがちな感じですが、逆に言えば『細かいことを気にせずに楽しめる作品』ではあると言えるかも?

 いつものロブ・ゾンビらしく、見世物小屋的な『ケレン味のある美術センスや演出』は良い味を出しています。

 またいつもどおりにグロ要素が強めの内容で、最近のこの監督の作品の中でもエグさでは上位クラスかも?

 全体的にそこまで大きな捻りとかの要素はなく、延々と主人公たちと殺人ピエロたちとの戦いが描かれるので安定的に楽しめるのすが、いま一つ物足りないのは『刺客である殺人ピエロたちが全体的に生ぬるい』という事。

 美術的なデザインは良い感じなのですが、個性的にもキャラがそこまで立っておらず、ラスボス以外はどうにも印象が薄いです。

 むしろ逆に主人公たちの反撃の方が非道で容赦なくて、残虐表現に関しても激しい描写が多かったりするので、ある意味で定番をくつがえすようなノリでちょっと笑える部分ではあります。

 ただ全体的に『主人公たちの優位な状況』のシーンが多めなせいでいま一つ緊張感に欠けるきらいがあったので、殺人ピエロ側にももうちょっと残虐で見せ場がとなるシーンが多くても良かったかも?

 あと、主催者である金持ちたちが『定期的に刺客を送り込んでくる』という設定なのですが、新しい刺客が送り込まれるまでにいちいち結構なインターバルがあって、どうにも全体的にテンポが良くないんですよね。

 ちょくちょく出てくる金持ちたちの会話のシーンとか割とどうでも良いシーンが多かったので、出来ればインターバルは短めにしてもっとテンポ良くお話を進めて欲しかったところですよ…

 ラストも山場に乏しくてちょっと投げっぱなしな感じですし、最後はもうちょっとストーリー的に盛り上がる要素が欲しかった印象かなぁ?


 総評としましては、ロブ・ゾンビ監督らしい『安定した出来映えのスラッシャーホラー映画』という感じの作品です。

 残虐描写やグロ要素が強めなので観る人を選ぶ内容ではありますが、そういう要素が好きであればごく普通に楽しめる一本ではないかと…

 前回に撮った「ロード・オブ・セイラム」がトンガりすぎた感じだったので無難な感じでまとめたのかもしれませんが、今回は逆にちょっと物足りない感じのノリだったのが残念なところでしたよ。