■■■「ウルフ・アット・ザ・ドア」■■■
(20点/サスペンス)
カリフォルニアに住む、アビー、ボイチェフらの4人の男女は、近日中にカリフォルニアを離れる友人の送別のために高級住宅地にある友人の家へと集まっていた。
しかしそんな最中、深夜に謎の集団が彼らの屋敷へと侵入してきて、無言で彼らの事を襲撃しはじめ…
1960年代にハリウッドを震撼させた「マンソン・ファミリー」というカルト集団によって実際に行われた連続殺人を題材とした、サスペンスホラー映画。
アメリカで実際にあったカルト集団によって行われた連続殺人事件を題材とした、いわゆる『事実に基づいたフィクション』というタイプの作品なのですが…
なんというかビックリするぐらいダルくて退屈な作品です。
お話としては、『ハリウッドの住宅街に住むとある4人組が深夜に集まってパーティしている最中に、謎の集団が彼らの元に訪れて殺害を繰り広げる』という、ただそれだけのお話。
本当にそれ以上でも以下でも無いような内容で、突然現れた謎の集団が淡々と殺人を行うという姿を描いているだけで、マトモなドラマらしいものが無いためとにかく退屈で全く盛り上がりません。
一応、時系列やらキャラクターやらは事実に基づいてリアルに割と描かれているっぽいのですが、主人公たちを襲う殺人鬼が最後まで何を考えているのか良く分からないのに加えて、襲撃シーンでも特に盛り上がるような演出も派手なアクションも無く、特に殺害方法が凝っている訳でも無く、本当に淡々と殺害が行われるだけ。
『犯人の正体も目的も分からずに淡々と殺害が行われる』というのはある意味で不気味なんですけど、それだけでホラーやエンタテイメントとして成立するかと言われると、正直言って辛いところ。
ホントに『犯人の個性や動機らしきものが全く語られない』のでキャラとしての面白味が全くないんですよね…
また犯人が淡々として無個性なのに加えて、襲われる方の若者たちもそこまでシッカリとキャラが掘り下げられている訳でも無くて、人間ドラマとしても特に面白く無いのも困りものです。
一応はラストに『マンソン・ファミリー事件の解説』みたいなのがちょっとだけ(1分程度)あって、それを見ると事件のあらましやら犯人像やらが見えてくるのでお話の意味は分かってスッキリするのですが…
そこを見るまでは『何が何やら良く分からないまま淡々と殺人現場を見せられるだけ』みたいな感じで、端的に言ってしまうと『5分程度で描けそうな事件現場の再現映像を、70分かけてダラダラと見せられている』みたいな内容(しかも事件のあらましは70分観終わったあとじゃないと分からない)で、正直言って退屈すぎて苦痛に近い作品という感じでしたよ。
まあ「マンソン・ファミリー」事件のあらましに詳しくて、最初から『こういう事件を再現してるんだ』ってのが分かってれば、まだ『事件の再現映像』として楽しめるのかもしれませんが、自分は事件の概要ぐらいしか知らなかったので楽しむにはちょっと難易度が高かったです。
総評としましては、『ビックリするほど淡々としてて盛り上がりの無いサスペンスホラー映画』って感じの作品です。
「マンソン・ファミリー」事件に興味があって、是非とも再現映像を見てみたいという感じの人にならそれなりにオススメできるかもしれませんが、そうでなければあまりオススメは出来ないかなぁ…
純粋にツマんないだけでネタとしても弱い内容なので、個人的には時間の無駄にしか感じられない微妙な映画でしたよ…