NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 青年実業家のドリアは、ホテルの密室で不倫相手であるローラの殺害した容疑で起訴されていた。

 そんな中、敏腕弁護人のグッドマンは、法廷で審理が開始される3時間後までに反証の証拠を集めるために彼の証言を聞く事になる。

 ドアにも窓にも鍵がかかった状況での密室殺人事件で、彼に圧倒的に不利な状況を覆すために、彼女はドリアに『まだ話していない真実があるのではないか』と問いかたところ、実は彼は3カ月前に森の中で一人の男性を交通事故に巻き込んで死なせてしまい、その男性の死体を湖に沈めて隠蔽したという驚くべき事実を語りだすが…



 とあるホテルの密室で起こった殺人事件をきっかけとして、その事件にまつわる驚くべき真実が明らかになっていくという、ミステリー仕立てのサスペンス映画。

 いわゆる『密室トリック』を題材としたミステリーですが、やや古臭い雰囲気はあるもののなかなかに良く出来たサスペンス映画という感じです。

 お話としては『とあるホテルの密室で起こった殺人事件の真相を探るために、弁護人が被告から話を聞いていくにしたがって事件の隠された驚くべき真実が明らかになっていく…』みたいな感じの展開。

 密室殺人のトリックを追うような話かと思いきや、徐々にお話が殺人事件の『動機』となったであろう過去の事件にさかのぼって、隠された意外な真実が明らかになっていくという構成がなかなか面白いです。

 ネタとしては『被告』の証言で少しずつ真相が究明されていくという、裁判ものとか法廷ものとかのタイプのミステリーですね。

 お話が進むたびに少しづつ新たな事実が発覚していき、その度に主人公が追い詰められるような展開になっていくのも面白いですし、過去の出来事を『再現フィルム』的に追っていくという形でお話がすすむため、サスペンスとしてもなかなか緊縛感があるのも良い感じです。

 あまり書くとネタバレになってしまいますが、お話が真相に近づくたびに次々と二転三転していく構成も先が読めなくてなかなか良く出来ています。

 単なる1件の殺人事件が題材かと思いきや、真相に近づくたびに色々とお話が広がっていって『いかにもサスペンス映画らしい展開』になっていくのが面白いです。

 ただお話としては面白いのですが、ミステリーの『謎解き』として良く出来ているかと言われるとちょっと微妙なところ。

 ややネタバレになってしまいますが、お話の展開が『叙述トリック』的なネタを多用しているため、視聴者が『謎解きをする』というのが難しい…というか真相を推理してもあまり意味が無い感じになってしまっているんですよね。

 あと、お話の一番最初に出てくる『密室トリック』の謎解きが、キャッチーな要素の割には意外とアッサリしてて物足りない感じだったのも残念なところ…

 でもラストはやや強引すぎるオチな気もするものの、なかなか意外性のある展開で面白かったです。


 総評としましては、『なかなか良く出来たミステリー仕立てのサスペンス映画』って感じで普通に楽しめた作品でした。

 『法廷ものミステリー』とかが好きであれば、そこそこ楽しめる感じの内容だと思いますので、そういうジャンルが好きであればチェックしておいても損は無い一本というところでしょう。

 予告とかで『どんでん返しがある』事が明言されてるタイプの映画ですが、最後まで『話がどっちに転がるか』が予想できない内容で、『どんでん返しがある』事が分かってても楽しめる作りなのも良い感じだったので、結構オススメできるサスペンス映画ではないかと…