■■■「アローン・イン・ザ・ゼット」■■■
(12点/サスペンス)
人間をゾンビ化させる謎の感染症の流行により壊滅した世界。
幼い娘を持つアンは、夫のジェイソンと共に彼が子供の頃に過ごしたという人里離れた森へと避難する事となる。
彼女は森での生活で夫からサバイバル技術を学ぶが、やがて夫と娘は謎の感染症の影響で亡くなってしまい、今では一人で動物を捕えたり廃墟と化した家屋から食料を回収したりしつつ、サバイバル生活を行っていた。
そんなある日、森のそばでオリビアという少女と、重傷を負った彼女の義父のクリスと遭遇した事から、アンは彼女たちを助ける事となる。
怪我から回復したクリスは『北部に感染から守られた安全地帯』があるというウワサを聞いた事から北部を目指しているといい、アンにも一緒に北部に向かう事をすすめるが、彼女は夫と娘を失った悲しみから未だに立ち直れずに居たのだった…
ゾンビウィルスによるパンデミックで文明が崩壊し、全てを失い森の中でサバイバル生活を送る女性が、とある父娘を助けた事から思いがけない事件に巻き込まれていくという、モンスターホラー映画。
ゾンビ映画といえば低予算で作れる事で有名ですが、本作はそのゾンビ映画のなかでもいわゆる超低予算クラスといった感じの作品ですね。
何が低予算って、なにせゾンビ映画のくせにゾンビが全く出て来ません。
マジに全編通して5分ぐらいしかゾンビの出番が無いんじゃないでしょうか…
お話としては、森の中で一人の女性がサバイバル生活を過ごしている姿が描かれて、その合間に『彼女がどういう経緯で森に避難してきて、森で何が起こったのか?』が描かれていく訳ですが…
ニュースやら登場人物のセリフで、かろうじで『ゾンビウィルスによるパンデミック』が起こってるらしい事は分かるものの、具体的なパニックの描写とかゾンビの襲撃とかは全くなくて、殆どのシーンが中年夫婦が森の中でサバイバル生活を送っている様子が描かれるだけという感じ。
一応は荒廃した世界とか主人公たちの追い込まれた雰囲気は感じられるものの、殆どのシーンが事件も起こらないで淡々と今までの経緯とかが語られるだけなのでハッキリ言って退屈です。
主人公がとある父娘と出会ってからは少しだけ話が動き出すものの、ノリとしてはゾンビものというより『悲劇によって心を閉ざしていたヒロインが、彼らとの出会いによって少しづつ心を開いていく』みたいな、ロードムービーとか人間ドラマ的な展開が中心で相変わらずゾンビの出番は殆ど無し。(いちおう、ここまでで1分ぐらいは出てくる感じ…)
ラストで取って付けたように5分ぐらいゾンビの出てくるシーンがありますが、それに関してもドラマ的にアクマでゾンビの存在がオマケみたいな感じなので、とにかく物足りなくて退屈な映画でしたよ。
ぶっちゃけ退屈で眠すぎて、途中で3回ぐらい意識が飛びました…
総評としましては、『物凄く退屈で見どころの無い超低予算ゾンビ映画』って感じの作品ですね。
雰囲気映画や人間ドラマとして観るならまあ観れなくはないレベルでは無いのですが、普通にゾンビものを期待して観た自分としてはこのうえなくダルくて辛いだけの映画でした。
ラストとかも凄いモヤっとする感じの終わり方ですし、コレのために100分費やすぐらいなら他のもっと楽しそうなゾンビ映画を観た方がいくらかマシだと思いますよ…