NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドント・スリープ」(50点/オカルト)

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■■■「ドント・スリープ」■■■
(50点/オカルト)

 米国内で、金縛りにあった人間が睡眠中にそのまま死亡するという、原因不明の『悪夢死』と呼ばれる現象が多発。
 そんななか、かつてアルコール依存症だったベスは、毎夜のように金縛りにあい『老婆のような何者かに首を絞められる』という異常にリアルな悪夢に悩まされていた。

 悩みを知った姉のケイトは彼女と一緒に病院を訪れるが、それは『睡眠麻痺』という現象で特に危険は無いと診断される。
 しかしその夜、ケイトはベスと同じように夢の中で金縛りにあり、老婆に首を絞められるという現象に遭遇。

 心配になって実家の妹のもとに連絡をしたところ、妹が睡眠中に突然死してしまった事を知らされる。

 その夜以来、同じような悪夢に悩まされるようになったケイトは、ベスの元恋人のエバンと共に事件の謎を探る事となるが…



 睡眠中に金縛りにあっている最中に現れた謎の『鬼婆』によって絞殺されるという恐るべき減少を描いた、オカルトホラー映画。

 なんとなくドント・ブリーズ」っぽいタイトルが付いていますが、当然ながら特に繋がりとか関連性は一切無い作品です。
 まあ、こっちも『鬼婆』が出てくるのである意味で老人ホラーと言えなくも無いですが。(笑)
 (ちなみに原題は「DEAD AWAKE」です。)

 お話としては、『鬼婆の悪夢による睡眠中の突然死によって妹を失った姉が事件の真相を探るうちに驚くべき真実にたどり着くという感じのオカルトホラー映画で、『金縛りの最中に息が出来なくなる』という謎の現象の恐怖を描いた感じの内容。

 確かに『金縛りの最中に首を絞められる』という悪夢は怪談の定番で、作中では『鬼婆症候群(オールドハグ・シンドローム)』と呼ばれていると解説されていますが、実際に睡眠障害の症状としてそういう呼称があるようで睡眠時無呼吸症候群とかが原因と考えられていられたりと諸説あるようです。

 本作ではその『鬼婆』が実在して『たて続けに悪夢を観る事で心が弱った人間の命を奪いに来る』といった感じの設定。

 展開としては、妹の死によって謎の『鬼婆』の存在を知ったヒロインが、眠ると鬼婆に襲われるため眠らないように奮闘しつつ原因を究明していくというような感じ。

 文字にすると可も不可も無い展開のように見えますが、実際の内容の方も割と可も不可も無い作りという印象。

 怪物は地方によって「ナイトメア」や「メア」、「マブ」等と呼ばれているという存在として語られるのですが、いま一つバックボーンとなる伝承としての存在感が弱くてインパクトが薄いのは残念なところ。
 ただ逆に元ネタがふわっとした存在なので、『誰の元にでも起こり得る現象』という意味ではリアリティがあって怖いとも言えるかも?

 怪物の存在が『ひたすら首を絞める婆さん』というだけで個性が薄く、攻撃方法も実施に首を絞めるだけなので特に捻りが無いせいで観ていてビジュアル的にもあまり面白味が無いのは辛いところです。

 『悪夢の中で殺されると現実でも死んでしまう』という設定を効くとエルム街の悪夢を思い出しますし、ストーリー的にもインスパイアされている印象は受けたのですが、それならもっと『悪夢と現実の境界があいまいになる』みたいなサスペンス的に面白い要素を参考にすれば良いのになぁ…

 殺害シーンに怖さがあまり無いせいもあって全体的に緊張感が薄めで、特に序盤~中盤にかけれはいま一つお話が盛り上がらないんですよね。
 終盤になって『鬼婆』の正体や対抗策が明らかになっていく辺りからはそこそこ面白くなるのですが、やはり『鬼婆』自体のキャラクターが薄いせいで終盤の盛り上がりもイマイチな印象。

 もっと『鬼婆』のキャラクターをインパクトのある存在にした方が良かったんじゃないかな…という気はしますよ。


 総評としましては、良くも悪くも『あまり印象に残らない普通のオカルトホラー映画』という感じの作品ですね。

 ツマんない訳では無いのですが、全体的に緊張感が薄くていま一つコレはというような要素があまりないので、強くオススメするには弱い感じかなぁ…

 気になっている場合は観るのを止めるほどではないですが、特に急いで観る程の映画でも無いと思うので、衛星放送やらNetflixやらHulu系の動画配信サービスとかを利用しているならば、そっちで配信されるのを待ってみるのも良いかもしれません。(いかにもそっち系の配信ラインナップに乗りそうな雰囲気の作品なので…)