NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「猿の帝国/女囚戦記」(20点/SFアクション)

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■■■「猿の帝国/女囚戦記」■■■
(20点/SFアクション)

 遠い未来。
 女囚のデーン、ティール、ジェイダたちの3人は、宇宙船によって非合法な手段で遠い惑星の『顧客』へと人身売買されようとしていた。

 彼女たちは監視員たち隙をついて脱出ポッドを盗み近くの惑星へと不時着するが、自由を得たと思ったのもつかの間、その惑星は滅びかけた類人猿たちによって支配された未知の惑星だったのだ。

 類人猿の兵士によって捕らえられた彼女たちは、絶滅寸前の彼らの繁殖に利用されそうになった事から、なんとか隙を突いて脱出を試みるが、そこに更に彼女たちを追って宇宙船の船長であるザンダーまでもが惑星に降下してきて…



 囚人移送船から脱獄して未知の惑星に不時着した女囚たちが、謎の類人猿に捕らえられて支配されそうになるという、SFアクション映画。

 「ジュラシック・ビースト」やら「ビッグフット vs ゾンビ」やらでお馴染みの、矢鱈と笑えるションボリな内容のZ級映画を撮る事で有名なマーク・ポロニア監督の最新作です。

 といっても制作されたのは2013年という事で、時期的には他の作品よりも以前に作られた作品のようですね。
 (マーク・ポロニア監督が一部のマニアの間で人気なので改めてビデオリリースされたのかな?)

 お話としては『非合法に何者かに売り渡されそうになった女囚たちが、隙を突いて移送中の宇宙船から脱走するも、脱出ポッドの不時着した先は類人猿によって支配された未知の惑星だった…』みたいな感じのお話。

 あいかわらずポロニア節が全開な感じの作りで、宇宙船が洗剤のボトルか何かに色を塗って日曜大工で作ったようにしか見えないようなデザインだったり、類人猿たちも猿のマスクを被ってボロい服をまとっただけだったりと、インパクト抜群の低予算と映像のショボさで笑わせてくれます。
 (でも猿のマスクに、喋る時に口が動くギミックが搭載されているぶん、ちょっとは予算があったのかも?)

 ただ、特撮や映像がショボいのは予算の問題として納得するとしても、未知の惑星で出会った謎の類人猿って設定なのに、普通に英語で主人公たちと会話するのはいくらなんでもおかしいだろと…

 ちなみに、この『猿の帝国』の人たちは伝染病か何かで絶滅寸前で、国民は5人しか居ないのですが、流石に『帝国』を名乗るには国民少なすぎじゃないですかね?
 (しかも、冒頭で主人公たちの銃をいじってて暴発させて一人死んでるし…)

 雌が居なくて絶滅寸前の彼らは女囚たちを使って子孫を繁栄させようとする…というエロマンガか何かのようなお約束の展開なのですが、そこに主人公たちに味方する裏切者のイケメン猿が登場したり、主人公たちを追って囚人移送船の船長が上陸(なんで船長がわざわざ来るのか…人望無いの?)してきたりと、ドタバタコメディ…じゃなくてアクションが繰り広げられるという感じ。

 低予算にふさわしく、アクションもビックリするほどヘボいですし、セットもどこかの森の中の掘立小屋という感じで恐ろしくショボいのですが、あまりのショボさのせいでシリアスに何かのアクションをする度にいちいち笑えてしまうのはズルいです。

 特に類人猿の牢屋から主人公たちが脱出しようとする際に、『バナナの皮で猿を転倒させて隙を突いて脱出する』という展開は、あまりにもコテコテすぎて爆笑してしまいました。

 こういう要素が不快なショボさやツマんなさではなく、なんとなく『70年代のトンデモ系のSFドラマ』を観てるようなノリで楽しめてしまうのは、この監督の作品の良いところではないかと…

 ただ、途中まではショボいながらも普通にSFアクションとして楽しめるのですが、ラストで何のオチもつかないまま唐突に宇宙船がブラックホールに突入したかと思うと、時系列がワープして『猿たちが地球を侵略してる未来の話』みたいな展開になって意味不明の状態に…

 『なんじゃこりゃ?』と思ってたら、『「猿の帝国/反乱」に続く…』みたいなテロップが出てきて、まさかの『続編に続く』オチでしたよ。

 でも、この作品て2013年に作られてて未だに続編が作られて無い辺りからし『あ、それって…』って感じではありますが…(笑)

 まあ以前に作られた作品だけあってか、後のポロニア監督に比べるとハッチャケ具合が足りない感じもするので、この作品に続編が作られなくても致し方ないところかなぁ?
 (もしかしたら本国で続編が作られたので、まとめて公開するために前作を販売したという可能性もありますけど…)


 総評としましては、あいかわらずの清々しいまでの低予算っぷりで『色んな意味で笑わせてくれるZ級SFアクション映画』って感じの作品です。

 何も知らずに猿の惑星』シリーズの関連作品とかと勘違いして借りたら、DVDをフリスビーにして屋外に投げ捨てたくなるような内容ですけど、マーク・ポロニア監督の他の作品も好きなお馬鹿映画の愛好家であれば、本作も間違いなく楽しめる内容ではないかと思います。

 ただ上にも書いたように、他のポロニア監督作品に比べるとちょっとパンチが弱い部分がありますので、クソ映画マニアとしてポロニア監督の作品が気になっているなら、「ジュラシック・ビースト」やら「ビッグフット vs ゾンビ」、「フランケンジョーズ」辺りからチェックした方が良いかもしれませんよ。