NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グレートウォール」(70点/モンスター)

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■■■「グレートウォール」■■■
(70点/モンスター)

 黒色火薬を見つけて富と名声を得るために仲間たちと共に中国を訪れた傭兵のウィリアムは、中国の奥地で正体不明の野獣に襲われるも、怪物の腕を切り落としてなんとか撃退に成功する。

 その後、万里の長城で中国の軍隊である『禁軍』に拘束された彼らだったが、その直後に長城にウィリアムを襲った怪物の大群が襲撃。
 奇しくも怪物を退ける事に協力した事から、一目置かれる存在となる。

 長城を襲撃した怪物は『饕餮(とうてつ)』と呼ばれるもので、60年に一度現れて周辺の全てを食いつくすという伝説の存在だと知ったウィリアムは、仲間を守るために命がけで戦う禁軍の姿に感化されて、自らも戦いに身を投じていく事となるが…



 中国に60年に一度現れ人間を食いつくすという伝説の怪物『饕餮(とうてつ)』の大群との戦いを描いた、中国製のモンスターパニック巨編。

 「HERO」とか{LOVERS」でお馴染みのチャン・イーモウ監督によるアクション映画で、いかにも中国らしいド派手な超人アクションがウリのモンスター映画という感じの作品です。

 お話としては、『とある傭兵の男が火薬の秘密を求めて中国に潜入するんだけど、そこで饕餮(とうてつ)という怪物の群れと戦う軍隊の戦いに巻き込まれ、彼らの姿に感化される事で自らも戦いに参加する事となっていく…』みたいな感じのお話。

 万里の長城は実は、60年に一度現れる饕餮の襲撃から人々を守るために作られたものだった』というトンデモ設定と、壮大な世界観がなかなか面白いですね。

 中国映画らしく『大群どうしの合戦』がド派手に描かれており、まさに小山が動くような巨大な群れで攻めてくる饕餮の大群と、鮮やかな彩色の鎧を着て戦う中国軍の軍隊との戦闘シーンは、なかなかの圧巻。

 大群どうしの迫力に加えて、長城に設置された巨大なハサミで敵を切り裂いたり、カタパルトでの火炎弾やらバンジージャンプで戦う兵士やらといった、トンデモ兵器の派手なド演出でなかなか楽しませてくれます。

 ストーリーも仲間との信頼とか友情とか非常に分かりやすいテーマで作られており、主人公とヒロインのキャラも良く立っててお話もなかなか熱く、本当に良い意味での直球ストレートな『王道』的な展開という感じで面白いです。

 ただ派手なアクションは良いのですが、最近のアクション系の大作映画にしてはちょっと尺が短め(といっても100分はあるのですが)で、ややボリューム不足に感じてしまう部分があったのは残念なところ。

 特に、序盤~中盤の饕餮の大群と戦う防衛線の部分は、映画の予告とかでも使われてたシーンでとにかくド派手で見応えがあるのですが、終盤は逆に『女王討伐ミッション』みたいな流れになって、ちょっとスケールダウンした感じになってしまい、迫力的に尻すぼみな印象になってしまっているのは物足りなさの一因かなぁ?
 もっと終盤にもド派手な見せ場があっても良かった気はします。

 あと本作の主役とも言える饕餮が、個人的にはデザインがイマイチであまりカッコ良くなくて魅力が薄く感じたのも惜しいところ…

 せっかく中世の中国が舞台なんだから、あんなトカゲモドキみたいなデザインじゃ無くてもっと中国っぽいデザインにした方が良かった気はします。

 饕餮の女王に関しても『ちょっと大きい饕餮』って感じでイマイチ華が無くて印象に残らないデザインですし、全体的にモンスターのデザインはもうちょっと個性を出していく感じでも良かったんじゃないかと…

 オチもちょっとパンチが弱い気はしたので、もうひと捻りあって欲しかったかな?


 総評としましては、基本的には『細かいことを考えずに楽しめる王道モンスターアクション映画』って感じの作品ですね。

 若干の不満や物足りなさはありますが十分に派手で面白い作品ですので、モンスター映画が好きな人やら、中国映画でお馴染みのの大群での戦闘シーンやらが好きな人であれば、間違いなく楽しめる一本だと言えるでしょう。

 気になっているのであれば、とりあえずチェックしておいて損は無いモンスター映画だと思いますよ。