NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グリーンルーム」(60点/サスペンス)

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■■■「グリーンルーム」■■■
(60点/サスペンス)

 売れないパンクバンドの「エイント・ライツ」の面々は、エージェントの紹介でポートランドの森の中にある会場で、とある集会のライブに参加する事になる。

 しかしステージへの出演を終えて控室に戻ったところ、一人の女性が刺殺されているのを発見。
 驚いた彼らは警察に通報しようとするが、会場のオーナーの仲間によって事件現場の控室に監禁されてしまう。

 到着した警察に嘘をついて事件を隠蔽しようとしている事を知り、オーナーたちが堅気の集団ではないと気付き身の危険を感じた彼らは、逆に見張りの男を人質に楽屋に立てこもって、なんとかして窮地を脱しようと試みるが…



 とある売れないパンクバンドの面々が、反社会的な集団の集会で死体を発見した事から抹殺されそうになるという、サスペンススリラー映画。

 パッケージの記載によるとクエンティン・タランティーノが絶賛してた映画』らしいんだけど、確かに初期のタランティーノっぽいノリでいかにもタランティーノが好きそうなテイストの作品といった印象です。

 お話としては、『とあるパンクバンドが田舎の森の中で行われる集会にライブのゲストとして出演するんだけど、その際に楽屋で死体を発見。オーナーたちが死体を発見した自分たちを監禁しつつ事件を隠蔽しようとしていた事から、身の危険を感じた彼らは見張りの男を人質に取って反撃に出ようとするが…』みたいな感じの展開。

 とまあ設定だけ見ると割と平凡なサスペンスという感じなのですが、実際の中身の方は何というか矢鱈とエグい映画という印象。

 ナイフで切られたり銃で撃たれたりといった負傷の描写が、なんか知らないけど異常にリアルでとにかく物凄く痛そうなんですよ。

 また敵も味方も行動に容赦が無くて、リアルな描写で人がバンバン殺されていくので、ガチに『殺し合い』をしているという感じでとにかく緊張感が半端じゃありません。

 この辺の空気がヒリつくような緊張感が、まさに初期のタランティーノの「レザボアドックス」みたいな感じで、なかなか見応えがあります。

 ストーリー的にも圧倒的に不利な状況から、知恵を巡らせ戦術を駆使して反撃していくという主人公たちの行動もカタルシスがあって良いですし、この主人公とオーナーたちの『命を懸けたやりとり』のシーンが非常に面白いです。

 あとオーナーたちが主人公たちに番犬をけしかけてくるシーンがあるのですが、並みのホラー映画以上に『大型犬怖っ!!』ってのを素直に感じさせられた映画でしたよ…

 ただ若干難点を上げるとしたら、敵側のメンバーの編成やら行動やらが全体的にいま一つ分かりにくいこと。
 (敵はどうやらネオナチっぽいんだけど、明確な描写ってありましたっけ?)

 悪役のキャラが薄いせいもあって敵の編成もちょっと分かり辛くて、終盤はいつの間にかほぼ決着がついてたみたいな印象があるので、この辺はもうちょっと悪役のキャラを濃くするなりの分かりやすい描写があれば良かったかなぁ?


 総評としましては、『小粒ながらもなかなか良く出来たバイオレンス系のスリラー映画』という感じの作品ですね。

 初期のタランティーノ的なエグめで緊張感のあるタイプの、ガチの命の取り合いを描いた感じのサスペンスとかスリラー映画が好きな人ならば、なかなか楽しめるタイプの映画だと思いますので、そういうのが好きであればばかなかオススメです。

 ただ全体的に結構エグい描写の多い映画なので、痛そうな描写とかが苦手な人はちょっと気を付けた方が良い作品だと言えるかもしれません。