■■■「JURASSIC EARTH 恐竜惑星」■■■
(20点/アクション)
ある日、全世界の各地に絶滅した筈の恐竜の大群が出現。
恐竜たちは次々に町を襲撃し、文明は破壊されて人々は避難生活を余儀なくされる。
警官のカップルであるレイとミシェルは、町からの避難が遅れてしまった事から恐竜に車を破壊されてしまい途方に暮れるが、偶然近くを通りかかったジェレミーという男性に車に乗せて貰える事になり、一緒に避難する事となる。
彼らはニュースで、州兵の基地で避難者を受け入れているという事を知った事から、町はずれの州兵の基地を目指して移動を開始するが…
全世界に唐突に出現した恐竜の大群によって文明が崩壊した世界で、人々が恐竜と戦ってなんとかして平和を取り戻そうとする…という、モンスターパニック映画。
『特にコレといった理由も無く恐竜の大群が復活して人類の存亡が脅かされる』という、簡単に言ってしまえば『ゾンビ映画のゾンビが恐竜に置き換わっただけの映画』みたいな感じのお話ですね。
一応、作中で恐竜出現の原因について言及するシーンもありますが、最終的に『恐竜が復活した理由は良く分からない』というオチで、まあ割とその辺はアバウトな感じの作品です。
ただ恐竜映画っていうと『恐竜をいかにして現代に復活させるか』のプロセスは作品の醍醐味の一つなので、『その辺を全部すっ飛ばされるのはいかがなものか?』という部分ではありますが…
まあプロセスをすっ飛ばしてても、結果として作品そのものがパニック映画として面白ければ問題ないのですが、そっちの方も褒められた出来じゃないのは困りもの。
映画の内容は、いわゆるZ級まで行かないもののD級程度の『超低予算路線のモンスター映画』という感じで、とにかく特撮がショボいです。
恐竜はCGとマペット(一部でストップモーションアニメ?)っぽい感じで作られているのですが、なんかCGとかが初期のPS3のゲームを観ているような感じの完成度。
更に恐竜のモーションとかがかなり適当で、そっちはPS2とかの時代のレベルでカクカクと動きながら襲い掛かってくるので、観ていてちょっと辛いものがあります。
CGやら特撮のショボいのを誤魔化すために、微妙に恐竜からカメラのフォーカスをずらして撮影している感じにして、ショボく見えづらい工夫はしているのですが、流石にもう工夫でどうにかなる世界を超えてるレベルなのは困りもの。
恐竜と戦う軍隊の戦車とかも、『どう見てもプラモデルだか模型だかです、本当にありがとうございます』って感じで、こっちに至っては逆に微笑ましさすら感じてしまいましたよ。
また低予算CG故に、恐竜と人間との直接の絡みのシーンが殆ど無いのも残念なところ。
まあ特撮に関する不満はさておいて、他の部分が良く出来ているかと言われると、ぶっちゃけストーリーの方も詰め込み過ぎでちょっとグテグテ気味なんんですよね。
単に逃げ遅れた主人公たちが避難する話かと思いきや、中盤から避難先の基地の科学者が急に『恐竜を絶滅させるウィルスを作る』とか言い出して、妙にSFサスペンス的な展開に…
特に終盤の軍の司令官とのウィルスとワクチンを巡る争いは、あまりにも唐突すぎてちょっと展開に付いていけませんでしたよ。
ラストもオチが付いてるんだか付いてないんだかが判然としないみたいな終わり方ですし、もうちょっとスッキリさせてくれても良かったんじゃないかなぁ?
(アレって、結局ワクチンの問題はさておき『恐竜そのもの』の問題は何の解決してないんじゃ…)
まあ超低予算映画ではあるのですが、特撮や演出やシナリオも含めて随所に『低予算なのを上手く誤魔化そう』とする工夫が凝らされており、色々と頑張っている片鱗が見えたのは割と良かった部分と言えるかなぁ?
(実際には低予算すぎて全く誤魔化しきれてないのが難点ではありますが…)
総評としましては、全体的に微妙な出来の『超低予算系の恐竜ものパニック映画』という感じの作品です。
『予算の規模の割には観れる内容』ではあると思うのですが、そもそもがあまりにもショボすぎる部分が多くて流石に『恐竜映画を作ること自体に無理があったのでは…』としか言いようが無いような感じなので、あまりオススメは出来ません。
色々と頑張っている部分が、逆に『ネタ映画としてそこそこ楽しめる要素』と言える作品だとは思いますので、そういうネタ映画系で作品を探しているのであれば、チェックしてみても良いかもしれませんよ。