NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ケージ・ダイブ」(30点/パニック)

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■■■「ケージ・ダイブ」■■■
(30点/パニック)

 カリフォルニアに住むジョシュ、ジェフの兄弟は、エクストリームゲーム番組への参加申し込みのオーディション用テープを撮影するため、恋人のメーガンと共に、オーストラリアの沖合で行われる「シャーク・ケージ・ダイビング」に参加する事となる。

 しかし、彼らがケージに入ってのダイビング中に高波によってツアーのクルーザーが転覆するという事故が発生し、乗客と船員の全員がサメの集まった海に投げ出されてしまう。。

 パニックに陥りつつも、サメに次々と食われている他の乗客や係員をハンディカメラで撮影しながらサメの襲撃をしのいだ彼ら3人は、流れてきた救命胴衣に掴まるながら海上で救助を待つ事となるが…



 檻に入ってサメを見学するツアーである「シャーク・ケージ・ダイビング」に参加した若者たちが、船の転覆事故によってサメだらけの海に投げ出されてしまうという、生物パニックホラー映画。

 『サメに襲われた若者たちが持っていたハンディカムの映像を再編集したもの』という名目のいわゆるPOVタイプのモキュメンタリー映画で、ぶっちゃけて言ってしまうとオープン・ウォーター」のPOV版みたいなお話ですね。

 この手のPOVにありがちな事ですが、作品が『海中で発見されたビデオカメラに録画されていた映像』という設定なので、最初からオチがある程度は予想出来てしまうのは、やや難点と言えるかも?(笑)

 まあそれはさておき、本作の観終わっての最大の感想としては『とにかく画面酔いする映画』というのが正直なところでしたよ。

 主観映像の映画ってただでさえ酔いやすいのに、お話の中盤辺りからは殆どのシーンが『海の上で波に揺られて漂っている主人公たちの持っているハンディカメラの映像』という画面揺れの必殺コンボみたいな映像になるので、最後の方は割と本気で頭がクラクラしてしまいました。
 これはもし劇場の大画面で観てたら、本気で途中で気分が悪くなってたかも?

 お話としては、『オーストラリアでの「シャーク・ケージ・ダイビング」中に船の転覆事故に巻き込まれてサメだらけの海に投げ出された若者たちが、なんとかして生き延びようとする』という、ほぼそれだけのストーリー。

 予想のとおりに、船の転覆シーンから乗客が次々とサメに襲われるシーンが最大の見せ場になるのですが、ぶっちゃけその最大の見せ場のシーンがいかにも低予算という感じの映像で、たいした迫力も無くて正直言って物足りません。

 更に乗客が食われた後は、主役の3人が波間にただよって救助を待つという流れになるのですが、いかんせん何もない海の上なのでたいしたドラマも無くこれまたどうにも盛り上がりに欠ける展開。

 流石にダラダラと海上を漂っているだけでは間が持たないと考えたのか、登場人物たちがパニックに陥るシーンに加えて、主人公の兄弟2人と彼女との三角関係を描いたサスペンスとかが描かれたりするのですが、むしろ『お前らの痴話ゲンカなんてどうでもいいわ!!』という感じで、観ていて余計にストレスが溜まるだけなのは困りもの。

 全体的にサメの出てくるシーンが少なすぎなので、正直に言ってそんなシーンを増やすよりももっとサメの出番を増やして欲しかったです。

 オチとかに関しても、ありがちな展開で特にコレといった捻りが効いている訳でもなく、そもそも『カメラの映像を再編集したもの』という設定の割には、事件と関係の無いケージダイブに行くまでの遊んでるだけのシーンが妙に長かったり、『ヒロインと主人公がエッチするシーン』の映像が使われてたりとか、色々とツッコミどころが満載だったりするのも、リアリティが感じられなくてイマイチ。

 「オープン・ウォーター」の後発作品の割には、オープン・ウォーター」のような絶望感や映像的な迫力も感じられないので、単なる劣化した二番煎じの域を脱していないと感じざるを得ないような映画でしたよ…


 総評としましては、どうにも『退屈なだけで盛り上がりに欠けるPOV形式のパニックホラー映画』という感じの作品ですね。

 類似作品と比べても見どころが薄い内容ですので、『本作を推すのはちょっと厳しいかなぁ…』というのが正直なところです。

 まあ全体的に見どころが薄いというだけで絶望的にツマんない訳でも無いので、そういうジャンルが好きならば暇つぶし程度に見ておくぐらいなら良いとは思います。
 ただ、矢鱈と画面が揺れまくるせいで『非常に画面酔いしやすい作品』なので、そういうのが苦手な人は注意した方が良いかもしれませんよ。