NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「ジグソウ:ソウ・レガシー」を観てまいりました。

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 倉庫のような場所で目を覚ました5人の男女。
 彼らは頭にバケツのようなものを被せられたまま、首には鎖を繋がれ壁には丸ノコの歯が備え付けられた部屋に居る事に気付く。
 そして彼らの元に流れ始めた『罪を告白する事のみがお前達を自由にする』という謎の音声メッセージと共に、命をかけたデスゲームが今まさに始まろうとしていた。

 一方で警察は、この事件の被害者と思しき『頭にバケツを被せられたまま頭部を丸ノコで切断されたと思われる死体』を発見。
 身体の一部のジグソウパズルのピースのように切り取られた痕跡と、死体に隠されていたUSBメモリに残された『ゲームは始まった。4人の罪人が犯した罪が償われるまで終わらない』というメッセージから、10年前に死んだ連続殺人鬼である『ジグソウキラー』の模倣犯が出現したのではないかと考え事件の調査を開始するが…

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 劇場にてジグソウ:ソウ・レガシーを観てまいりました。

 正直、「ソウ」のシリーズは後半になればなるほどミステリー色が薄くなって、単なる『ジグソウキラー残虐殺人ショー』みたいな展開になってて辟易としていたので、本作も劇場まで観に行くかどうか迷ってたのですが…

 観てきた人の評価が割と良かったので試しに劇場まで行ってみたのですが、確かにコレはなかなか良く出来た新作でしたよ。

 お話としては、今までの「ソウ」シリーズと同様に『ジグソウの死のゲーム』を中心にお話が展開していくのですが、方向性としては残虐描写よりもミステリー要素である『謎解き』の方に重きを置いて、シリーズの初期の作品のノリに立ち返ったような印象です。

 メインのストーリーとしても『デスゲーム』よりも『ジグソウの後継者は誰なのか』という部分に焦点が当てられている感じなのですが、この『後継者候補』が作中に矢鱈と何人も登場して、しかも全員に矢鱈と怪しい部分が多いため、ラストまで先の展開が読めずに素直にミステリーとして楽しめる作りなのは良い感じですね。

 お話の内容に触れてしまうと割と即座にネタバレになってしまうので、あまり中身に対しては語りませんが…

 謎解きの『手がかり』の提示の仕方スリードの仕込み具合もなかなか上手く考えられており、お話の途中で感じた『違和感』がラストの謎解きの手がかりとしてシッカリと活かされているのは非常に上手い作りだと感じましたよ。
 (まあ、『いくら計画と綿密に練ってたからって、そんなに思いどおりに事が運ぶかよ?』とかってツッコミどことはありますが…(笑))

 ただミステリー要素は強くなったのですが、逆に残虐描写に関していえば今までのシリーズに比べると控えめな印象で、残虐シーンの見せ方とかもアイデアとかにちょっと物足りなさがあったかなぁ?
 (と言っても、人体損壊や切断はありまくりなので、普通のサスペンス映画とかに比べると断然グロいですけど…)

 特に本作では『死のゲーム』でのジグソウと犠牲者の『駆け引き』の要素が薄くて、あまり『精神的に追い詰められる緊張感』みたいなのが感じられなくなっていたのは、ちょっと残念な部分だったかも…


 総評としましては、なかなか良く出来たシリーズのリブート作品『普通に面白いサスペンスホラー映画』という感じでしたよ。

 ところどころに1作目のオマージュっぽいシーンとかも仕込まれており、『シリーズの初期に回帰するような狙いがあったのかな?』と感じさせる部分もあったので、本シリーズの初期の作品が好きならば割とオススメできる新作なんじゃないかと思います。

 ちなみに私のように、『気になりつつも観に行くかどうか迷っている』ような場合には、チェックしておいて損は無い一本だと言っておきますよ。