■■■「チャイルド・プレイ ~チャッキーの狂気病棟~」■■■
(50点/スラッシャー)
チャッキーとの激しい戦いの末になんとか彼を撃退したものの、家族惨殺の汚名を着せられたうえに心神喪失状態となったニカは、精神病院に入院させられてリハビリの日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女が命を救った姪のアリスの後見人であるというヴァレンタインと名乗る女性がニカの元を訪れ、リハビリのためにとグッドガイ人形を残していく。
しかし彼女の正体はチャッキーの相棒のティファニーで、彼女の残した人形として首尾よく病院に侵入したチャッキーは、ニカへの復讐を果たすために次々と虐殺を繰り広げて行くのだった…
殺人鬼の魂の乗り移った人形が殺戮を繰り返すという「チャイルド・プレイ」シリーズの最新作で、チャッキーを撃退したものの精神病院に入れられる事になった女性が病院内で再びチャッキーから命を狙われるという、オカルト風味のスラッシャーホラー映画。
ホラーファンにはお馴染みの殺人人形のチャッキーが登場するシリーズの最新作ですが、このシリーズはもはや本数が出過ぎていて何作目なのか忘れてしまいましたよ…
「チャイルド・プレイ」のシリーズは『チャッキーの花嫁』辺りから割とお話が繋がった感じでシリーズが描かれているのですが、本作は特に以前の作品からストーリーの繋がっている要素が強めなので、今までのシリーズを観てないとちょっとお話が分かり辛いかも?
お話としては『前作でチャッキーを撃退するも自身も精神病院に入れられる事になったヒロインが、復讐を目論むチャッキーに再び命を狙われる』といった感じの展開。
前述のとおり前作からストーリーに繋がっている部分が多くて、前作の登場人物がそのまま登場したりします。
ただ基本は単なるスラッシャーホラーですので前作を観ていないと訳が分からないというほど難解な内容でも無いので、間を1~2本飛ばしてたとしてもそこまで困らない印象。
(と言っても、チャッキーの基本設定(殺人鬼の霊が黒魔術の力で人形に乗り移っている)みたいなのは知らないと、流石に訳が分からないと思いますが…)
ただ、『チャッキーの花嫁』以降のチャッキーのパワーアップっぷりがすさまじいので、他の人間を乗っ取ったり自分のコピーを作って分裂したりできたりするようなチートっぷりとか、チャッキーの相方(ティファニー)の存在とかを知らないと、ちょっと面食らうかも?
内容的には、ここ何作かと同様に低予算路線で『チャッキーの大暴れっぷり』を描くという方向性の新作という感じ。
一応はオカルトサスペンスの体裁をとっていますが、アクマでも主人公はチャッキーで『チャッキーの活躍を観る映画』だと思っておいた方がスッキリと観れるレベルでしょう。
相変わらずチャッキーの濃すぎるキャラクターは良い味を出していますし、ヒロイン以外にもシリーズに続投して登場している『チャッキーのライバル』と言えるアンディも、なかなか手強くてチャッキーとの対決を楽しませてくれます。
そんな感じで、お馬鹿系のスラッシャーホラーとしては割と楽しめる内容ではあるのですが、惜しむらくは序盤のサスペンス的な展開の部分が、ちょっとテンポが悪くていま一歩なところかなぁ?
また、チャッキーの犠牲者の殺害方法もちょっと捻りが弱いものが多かったので、お馬鹿方向に舵を切るならばもっと殺害シーンを増やしてバリエーションも持たせて欲しかったところではありますよ。
あと、本作はどう見ても『続編を作る事が前提』としか思えないような中途半端なオチの投げっぱなしっぷりなので、シッカリとオチが付いてないと落ち着かないという人にはちょっと物足りない作品かもしれません。
総評としましては、良くも悪くも『普通レベルのお馬鹿系スラッシャーホラー映画』って感じの作品です。
アクマで『今までのシリーズのファン向け』が前提として作られたような内容なので、ズバ抜けて良い要素も無いもののシリーズのファンの人であればとりあえずチェックしておいても損は無い映画だとは思います。(点数も+5点ぐらいは加点しても良いかも?)
逆にシリーズを良く知らないと、単なる低予算路線で投げっぱなしのB級ホラーって感じになってしまう恐れもあるので、ちょっと物足りなさを感じる一本かもしれませんが…