NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ラプチャー -破裂-」(30点/サスペンス)

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■■■「ラプチャー -破裂-」■■■
(30点/サスペンス)

 極度のクモ恐怖症のシングルマザーの女性のレネーは、ある日、突然に謎の集団によって拉致されてしまう。

 倉庫のような場所で監禁された彼女は、まるで感情が無いかのような奇妙な男女の集団によって謎の薬を投与され、彼女が最も恐れる『クモ』を使う事によって、ひたすら恐怖を与え続けるという謎の実験を開始される。

 なんとか隙をついて逃げ出そうと試み、倉庫の通気口に逃げ込んだ彼女は、この謎の建物の中で自分以外にも拉致された何人もの被験者がおり、彼らに恐怖を与えて『遺伝子を変異させる』事が目的で実験が行われている事を知るが…



 正体不明の組織によって拉致されたクモ嫌いの女性が、謎の実験によって『クモ責め』にされるという、サスペンススリラー映画。

 いわゆる謎の組織による『アブダクション』を題材とした、陰謀論的な設定のスリラー映画ですね。

 お話としては『とあるクモ嫌いの女性が謎の組織によって拉致され、『一番怖いもの』を用いて恐怖を与えるという奇妙な実験を行われる事になり…』といった感じのストーリー。

 『この組織は何のためにこんな恐怖攻めみたいな実験を行うのか?』という部分がストーリーの核心部分になっていくのですが…

 こういった陰謀論系の作品では、この辺の謎解きが投げっぱなしになりやすいのですが、本作は割とシッカリと謎解きがされててスッキリと観れるという部分はなかなか好印象。
 (ただ謎解きがシッカリされすぎるせいで、ちょっと安っぽさを感じるのは難点ですけど…)

 また本作の最大のウリとも言える、謎の組織によって行われる『一番恐怖を感じるものを与え続けてストレスを与える実験』という設定はなかなかと面白いと思うのですが、なんというかコレが設定倒れでどうにも拍子抜けな感じの内容なのは困りものです。

 何が拍子抜けって、この『恐怖を与える実験』の内容がどうにもショボすぎる事。

 『クモ責め』という事で、主人公がクモを使った『生理的に耐えられないような責め苦』を味合わされるのかと思ってたのですが、実際の実験の内容は『クモを身体の周りに這いまわらせる程度』で、実際の『クモ責め』のシーンの尺も滅茶苦茶短いうえにビジュアル的にもたいして面白みが無くてなんとも物足りません。

 お話の途中で、他の被験者の恐怖実験みたいなのが描かれるシーンもあるのですが、それに関しても『高所恐怖症の人間には強制バンジージャンプ装置』とか『父親が怖い人間には父親の声を聴かせて写真を見せ続ける』だけとか、とにかく全体的に恐怖実験の描写が手ぬるすぎです。

 ややネタバレになってしまいますが、本作の謎の組織の目的が『限界を超える恐怖を与える事で被験者を覚醒させる』みたいな感じの設定なのですが、『こんな手ぬるい責めだと100人に一人も覚醒出来ないだろ?』と感じたのは自分だけですかね…

 謎の組織の正体とかに関しても『なんのこっちゃ』って感じで面白味に欠ける設定ですし、どうにも物足りなさばかりが残ってしまうような作品でしたよ。


 総評としましては、『いま一つ盛り上がりに欠ける陰謀論系のサスペンススリラー映画』ってのが正直なところです。

 『恐怖責め』という設定は面白そうなので、予告とかだけ観ると良さそうな感じなのですが、実際のところ『予告のシーンがクライマックス』みたいな内容なので期待して観るとちょっと辛い作品かも…
 (ぶっちゃけたネタバレをしてしまうと、主人公への『クモ責め』のシーンは予告で出てくる2箇所のみです。)

 ツマんなすぎて観れないほどの作品じゃないのですが期待外れ感が強いせいでネタ映画としても微妙な感じなので、普通にスルーしてしまって問題ないタイトルな気がしますよ?