NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グレースフィールド・インシデント」(60点/サスペンス)

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■■■「グレースフィールド・インシデント」■■■
(60点/サスペンス)

 10ヵ月前の事故で片目を失ったマットは、事故から回復した後に妻のジェスや友人たちとともに、久しぶりにケベック州の山奥の山荘にバカンスに出かける事となる。

 遊びに行く際に、彼は義眼のなかに超小型カメラを仕込んで、その仲間へのサプライズとしてバカンスの映像を撮影する事を思いつく。

 予定どおりに山荘へ到着してバカンスを楽しむ彼らだったが、その夜に近くの森に正体不明の飛行物体が落下するのを目撃。
 好奇心から現場に向かったところ、そこで奇妙な隕石のような物体を拾うが、それ以降、彼らの周りで電気製品が異常な動作をしたり謎の二足歩行生物を目撃したりといった、不気味な現象が発生するようになり…



 山奥の山荘にバカンスに訪れていた男女が空から落下してきた隕石のような物体を拾ったところ、原因不明の異様な現象に巻き込まれていく…というサスペンススリラー映画。

 いわゆる宇宙人によるアブダクションを題材としたサスペンス映画で、主人公が装着している『義眼に仕込んだカメラ』で撮影したという設定のPOV作品です。

 この手のバカンスに出かけた先(山奥とか無人島)が舞台の、閉鎖環境でのパニックものでPOV作品というのは割とありふれた設定ですが、撮影を行ったのが『義眼に仕込んだカメラ』という設定にしたのは監督が本作ならではの個性を出したかったところでしょうか?

 まあ正直いって、義眼といっても観てる分には他のPOVとそこまで変わりは無いのですが、手持ちカメラの映像よりも画面の揺れが抑えられてて観やすい印象があるのは良い感じです。

 お話としては、『とある男女のグループが山奥の山荘でパーティを楽しんでいたところ、謎の飛行物体の落下現場で隕石のような物体を拾得するんだけど、それ以降、奇妙な生物に追いかけまわされるようになる…』みたいな感じのストーリー。

 いわゆる謎の宇宙人による襲撃というかアブダクションを題材にした作品で、宇宙人ものの映画の設定としては非常にありきたりな設定の作品という印象。

 でも、この手のPOV系の作品にありがちな『怪物や怪奇現象の正体とか、なんだか良く分からないままお話が終わってしまう』というような作りじゃ無くて、本作はストーリーやら謎解きやらが非常にシッカリと作られているのは良い感じです。

 お話に関してもダラダラした展開にならずに、キチンと起承転結がある一筋縄では行かない捻りの効いた構成になっているのも面白いですね。

 また、POVの『主観視点を活かした演出』なんかも割と効果的に使われており、特に中盤から終盤にかけての『トウモロコシ畑での逃走シーン(追跡シーン?)』なんかは、非常にスピーディで迫力のある映像になってたりするのも、なかなか上手いところだと思いました。

 ただ予算的に厳しい部分があったのか、怪物の姿が描かれるシーンが非常に少なくて、出し惜しみが酷いせいでちょっとイライラさせられてしまいましたよ…

 あと、終盤の謎解きが進んでからの展開は意外性もあって面白いのですが、謎解きが始まるまでがちょっと冗長に感じたのは残念なところかも?

 それと凄くどうでもいい部分ですが、『主人公の義眼に仕込まれたカメラの映像』という設定の割には、『主人公が全くまばたきをしない』のは微妙に違和感があったかも?(笑)
 (まあ別に無いと困るような演出でもないので、単に他の演出とのトレードオフで削除したのかもしれませんが…)


 総評としましては、ありがちな設定ながら思ったよりも良く出来た『アブダクションものSFサスペンス映画』という感じの作品です。

 この手の設定のSFホラーが好きな人であればそこそこ楽しめる内容だと思いますので、そういうジャンルが好きならばチェックしておいても良い一本でしょう。

 特に、POV系の映画にしては珍しく『オチまで非常にシッカリと描かれている作品』なので、POVにありがちな『投げっぱなしオチ』が嫌いな人にはオススメできる内容かもしれませんよ。