NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クロージング・ナイト 地獄のゾンビ劇場」(45点/サスペンス)

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■■■「クロージング・ナイト 地獄のゾンビ劇場」■■■
(45点/サスペンス)

 アメリカの田舎町でストリップ劇場を経営するブルージーンは、諸事情からストリップ劇場を手離し町を離れる事になってしまう。

 しかし、ストリップ劇場の最終営業日に用心棒や仲間たちとともに劇場の公演を行っていたところ、新人のストリッパーが何者かに尖った槍のような刃物で刺し殺されるという事件が発生。

 目撃者の情報から犯人がオイルを浴びたように真っ黒だったという話を聞いた彼女は、その日の来店客の炭鉱夫たちが『地下から石油が出た』という会話をしていた事から、彼らが犯人なのではないかと考え調査を開始するが、やがて炭鉱夫たちの発見した『石油』がただの石油ではない事が判明し…



 閉鎖間際のストリップ劇場にソンビの群れが襲撃し、店員やストリッパーたちが協力してゾンビと戦うという、モンスターホラー映画。

 『ソンビとストリッパーが戦う映画』というと、以前に「ゾンビ・ストリッパーズ」とか「ストリッパーVSゾンビ」という映画があったように記憶していますが、こういう場末のストリップ劇場とゾンビという組み合わせは、実は意外とメジャーな組み合わせだったりするのでしょうか?

 ちなみに「ゾンビ・ストリッパーズ」はイロモノながらも『馬鹿馬鹿しすぎて逆に面白かった』という良作でしたが、本作はどちらかというと逆に『残念な感じの作品』でしたよ。

 お話としては、『ある日、閉鎖間際のストリップ劇場にゾンビの群れが襲来して、店員やストリッパーたちは生き延びるために命がけで戦う事となる』みたいなお約束な感じの展開。

 こんな設定なのに、内容的にはどちらかというとシリアスに振った感じのノリの作品で、ストリップ劇場のオーナーと店員たちとの人間ドラマみたいなものが意外とシッカリと描かれています。

 特に主人公(ヒロイン)周りの設定とかが妙に凝っており、終盤とかちょっとウルっとさせるようなシーンまであったりして、意外と侮れない印象。

 でもストーリーの予想外のシリアスなノリに対して、作品の中身の方は結構グロ描写が強めの残虐要素が強めの作品で、更にストリッパーが主人公なので妙にエロ要素もあったりするので、なんというか微妙なアンバランスさがちょっと面白いです。

 ただ、こういった設定やストーリーには面白い部分もあると思うのですが、本作の何がイマイチかってゾンビにいま一つの魅力が感じられないところなんですよ。

 ゾンビは『人間gな新種の石油の中毒でゾンビ化する』みたいな感じの設定なのですが、なんというかいま一つこの設定が練り込み不足な印象。

 『石油でゾンビ化』という特殊な設定を作っている割には、その設定が全体的に説明不足で『ゾンビの不死性』やら『感染する基準』やらが釈然としないせいで、観ていてどうにもモヤモヤしてしまいます。
 (どこまで襲われたらアウトなのか…とか最後まで良く分からなかった。)

 ゾンビもゾンビの割に普通に意識や人格があって、武器を使って攻撃してきたりするので、単なる『油まみれの凶暴な人』みたいな感じでなんだかいま一つゾンビ映画という印象がしないのは困りもの。

 独創性に走るのも良いのですが、あまりにも独創的な部分が多すぎると『もうこれゾンビ映画で無くても良いんじゃない?』という気持ちになってしまうので、やっぱり『お約束はある程度は踏襲して貰った方が良いなぁ…』と思いましたよ。

 ラストの『取って付けたようなバッドエンド』も何か釈然としないですし、最後までいまひとつ方向性が良く分からない映画でした。

 あと、ここからはネタバレになってしまいますが…

 (あまりこの映画のネタバレをされて困る人が居るとも思えないですが、念のためにネタバレ注意。)

************** 以下ネタバレ 一応ネタバレ注意 ***************

 ゾンビの弱点の水に弱くて『水をかけられただけで死ぬ』ってのは、流石に『そんな簡単な弱点で良いの?』って気がしたのは自分だけですかね?

 正直、このゾンビがどれだけパンデミックを雨が降るだけで全滅しちゃう訳ですし、水道のあるご家庭であればどこでも簡単に撃退出来てしまうという『ホラー映画史上最弱のゾンビ』な気がしたのは自分だけ?
 (作中では閉店日のせいで水道が止められているという設定だった)

 少なくとも『オシッコをかけられただけで死ぬゾンビ』なんて、自分は生まれて初めて観ましたよ…

************** ここまでネタバレ 一応ネタバレ注意 ***************


 総評としましては、全体的に『いま一歩な部分を感じてしまうちょっと残念なゾンビ映画って感じの作品ですかね。

 お馬鹿系の設定の割にいま一つスッキリしない内容ですし、かといってそこまでシリアス重視という訳でも無いですし、イマイチ方向性が良く分からない作品でしたよ。

 気になっているのであれば、止めるほど酷い内容でも無いとは思いますが、個人的には推すにはちょっと微妙な印象ですので、『まあお好みで…』という感じでしょうか?