（５５点／サスペンス）
高校の卒業パーティの夜に彼氏の浮気現場を目撃したジェシーは、同じ浮気の被害者であるというキムと知りあい、憂さ晴らしにクラブに出かける事となる。
弟のマイルズとネットで知り合ったローガンらと共にクラブに出かけて楽しい夜を過ごしていた彼女だったが、そんな矢先にキムがジェシーのスマホを持ったまま忽然と姿を消してしまう。
キムの突然の失踪に不審なものを感じたジェシーがスマホの位置情報ツールで彼女の場所を追跡したところ、町外れの寂れた一軒家に到着。
家に入り込んだ彼女たちは、家の中の異様な雰囲気に不安なものを感じるが、やおら警報が鳴り響くと同時に全てのドアに鍵がかかってその不気味な家に閉じ込められてしまい…
行方不明の友人を追って不気味な一軒家に訪れた若者たちが、正体不明のサイコパス一家によって家に閉じ込められてしまうという、サスペンススリラー映画。
いかにも「ドンド・ブリーズ」の関連作品っぽいですが、『不気味な一軒家に監禁される』という部分以外は特にコレといって共通点も見当たらないような、監禁タイプのシチュエーションスリラー映画ですね。（確かに家の雰囲気とかシチュエーションはちょって似てなくも無いかも…って程度）
まあ「ドンド・ブリーズ」との類似性はさておくとして、肝心の本作の中身に関してはそこそこ良くまとまったシチュエーションスリラーといった感じの映画です。
お話としては、『とある若者たちがパーティの最中に唐突に姿を消した仲間を探して寂れた一軒家に上がり込むんだけど、その屋敷は実はサイコパス家族の住む恐るべき屋敷で…』みたいな感じの展開。
主人公たちがサイコパス一家の住み家に上がり込む事になるための導入も上手いですし、サイコパス一家の姿を描いた伏線の張り方やらキャラの立て方もなんかもなかなか良く出来ていて、全体的に得体の知れない雰囲気が良く出ています。
主人公たちのキャラもそこそこ好感が持てる雰囲気で、サイコパス一家に対する行動もアホすぎてイライラさせられるような部分も無いため、観ていて無駄にストレスが溜まらないのも良い感じ。
お話のテンポも非常に良くて中だるみするような部分も無くて定期的にそれなりの見せ場もあるため観ていて退屈する事もなく、秀作とまでは行かないものの全体的にソツの無い作りといった印象ですね。
ただソツは無いものの、なんというかサイコキラーものの作品にしては全体的に非常に薄味なのは困りもの。
見せ場となるシーンもそれほどインパクトや面白味が無いですし、そこまで究極的に主人公たちがピンチに陥ってドキドキするようなシーンも無くて、どうにも緊張感が弱いです。
特にラストとかはアッサリしすぎで『えっ、もう終わりなの？』って感じの盛り上がらなさだったので、サスペンスとしてはもうちょっと山場とか見せ場になるようなシーンが欲しかったかなぁ…
総評としましては、悪くは無い出来の『それなりに観れるレベルの監禁ものスリラー映画』って感じですね。
ホントに『それなりに良く出来ている』んだけど、全体的に『それなり』の評価を超えるような部分の無い作品という感じで、ちょっと物足りなさを感じる内容でした。
ただ『物足りない』というだけで総じて悪くは無い出来なので、気になっているのであればとりあえずチェックしておいても良いかもしれません。
ノリとしては『深夜放送とかでたまたま観てみたら思ったより楽しめる』ってぐらいのレベル作品という感じではないかと…
