NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「都市伝説:長身の怪人」(40点/サスペンス)

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■■■「都市伝説:長身の怪人」■■■
(40点/サスペンス)

 特ダネを追う記者のサラとカメラマンのマイロは、ある日、小さな町での銀行に差し押さえられた家のドキュメンタリーを撮影中に、突然に失踪したという家族の家で大量のビデオテープを発見する。

 ビデオテープに家族の失踪の秘密が記録されているのではないかと考えた彼らは、その大量のビデオをチェックする事となるが、ビデオの内容から彼らが『何者かにストーキングされている事に怯えていたという事が判明。

 実際にテープのあちこちに写り込んだ『長身の黒服の男』の存在に気付く。

 もしかして彼らは殺人鬼に狙われていたのではないかと考えて調査を続ける彼らだったが、やがて事件を追う様子の撮影を続ける彼ら自信のカメラにも謎の『長身の怪人』が写り込むようになった事から、その存在がただの人間では無い事に気づくが…



 通常は姿が見えないが『カメラでのみ姿が捉えられる』という謎の『長身の怪人』を題材とした、オカルトもののサスペンスホラー映画。

 いわゆる都市伝説の『スレンダーマン』を題材としたオカルト映画なのですが、『スレンダーマン』なんて割とメジャーな都市伝説なのになんでタイトルを素直に「都市伝説:スレンダーマン」にしなかったのかしらん?(実はどこかに商標権を取られているとか…)

 ちなみに本作に登場するスレンダーマンは、いわゆる『のっぺらぼうに黒いスーツの大男』というタイプなのですが、映画的には『触手タイプ』のスレンダーマンの方がビジュアル的に面白かった気もするので、そっちのスレンダーマンも見て観たかったなぁ。(まあ予算の都合もあるのでしょうが…)

 お話としては、『ある記者とカメラマンが、失踪した一家の倉庫で怪しい『長身の怪人』の姿の写り込んだビデオテープを発見し、その正体を追跡しようとするんだけど、やがて彼らの元へも『長身の怪人』が姿を現すようになっていき…』という感じのお話。

 ベタベタながら、謎の事件を追ううちに自分たちも事件に巻き込まれていくというお約束の展開と、並行してビデオテープを見ていくうちに『失踪した家族』に何が起こったかが明らかになっていき謎解きが進んでいくという展開は、サスペンスとしてまあまあ良くまとまってはいます。

 怪物は『スレンダーマンの特徴そのもの』という感じのデザインで、犠牲者をストーキングして拉致したりとか、スレンダーマンに取り憑かれた人間が徐々に正気を失っていったりという感じなのですが、怪物の『カメラでしか姿を捕える事が出来ない』という設定は、なかなか捻りが効いてて面白いですね。(実際にスレンダーマンは『謎の写真』が話題になって誕生した都市伝説なので)

 この設定のおかげで、ところどころで差し込まれるモキュメンタリー的な主人公のカメラの映像やら監視カメラの映像なんかが、なかなか効果的に使われている形になっているのは良い感じです。

 ただ、イデアや設定としては悪くない部分もあるものの、本作が純粋にサスペンス映画として面白いかと言われると、正直言って微妙なところ。

 ビデオテープによる謎解きと、主人公たちの巻き込まれた事件とが並行してクライマックスに向かっていくという流れのため、謎解きの途中であるお話の中盤でほぼ何の事件も起こらずに山場となるようなシーンも無いような構成になってしまっており、とにかく観ていて退屈なのは困りもの。

 主人公たち3人の人間ドラマが中心に描かれているものの、3人のキャラクターがそこまで魅力的でも無いため、観ていてあまり面白いものでもありませんし…
 もうちょっと中盤辺りでもスレンダーマンによる犠牲者を出すなり、ビデオテープの謎解きをもっと前半に持ってきて山場にするなり、なんらかの見どころが欲しかったです。

 スレンダーマンに関しても、原典のとおりに『正体不明の存在』として描かれているため、何だかよく分からなさすぎて、いま一つ怖さが薄くて盛り上がりに欠けるのは残念なところですね。

 もうちょっと踏み込んでキャラを立てるか、ビジュアル的にインパクトのある『触手タイプ』の形態を登場させる等して、怖さを盛り上げて欲しかったかなぁ?


 総評としましては、正直に言って『いま一つ盛り上がりに欠ける感じのオカルトサスペンス映画』って感じですかねぇ?

 まあ、他にあまり無い『スレンダーマン』を題材としたホラー映画ですし、壊滅的にツマんないという訳でも無いので、そういう『都市伝説もの』に興味があるならチェックしてみても良いかもしれません。

 ただ、個人的にはそっち方面でも物足りなさの残る内容でしたけどね…