NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サブリミナル・マインド」(30点/サスペンス)

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■■■「サブリミナル・マインド」■■■
(30点/サスペンス)

 女性科学者のホリーは、特殊な薬物を用いて瞑想状態を作りだし、メッセージを高速再生する事で患者の心理に暗示をかけるという、サブリミナル効果を用いた研究を行っていたが、周りの医師や心理学者からは危険だという理由で彼女の研究は糾弾されていた。

 そんなある日、心理学の研究機関のメンバーであるというマーヴィンと名乗る男性からパトロンの研究の支援の申し出を受けた彼女は、極秘裏に研究を行うために自分自身を被験体として暗示によってトラウマを解消するという実験を開始。

 しかしボーイフレンドのデニスから、マーヴィンという男性の謎に満ちた素性を聞かされた事から、徐々に彼の行動に不信感を抱くようになって行くが…



 自らを被験体としてサブリミナルによる心理操作の研究を行っていた女性科学者が思いもよらない陰謀に巻き込まれていくという、サイコサスペンス映画。

 なんか「クリミナル・マインド」をパクったような邦題の作品ですが、当然ながら「クリミナル・マインド」とは何の関係もなく、特に共通点も見当たらない感じのお話です。

 というか、本作を「クリミナル・マインド」と『タイトルが似てるから観てみよう』みたいに思うような人は殆ど居ないと思うので、いい加減にストーリーの類似性の無い作品で似たような邦題を付けるのは止めていただきたいものです…
 (ストーリーや設定に類似性がある場合はまあ認める。)

 お話としては『自分自身を被験体としてサブリミナルによる暗示の実験をしていた女性科学者が、罠にかけられて思いがけない陰謀に巻き込まれていく…』みたいな感じの内容で、サイコサスペンスに陰謀論的なノリをプラスしたような内容。

 とまあ設定だけ聞くと割と悪く無さそうな印象を受けるタイトルなのですが、実際の中身の方はなんというか非常に退屈な作品です。

 何が退屈って、とにかく『事件がなかなか進展しない』という事に尽きます。

 ヒロインが暗示によって『自分の望まない事を知らず知らずのうちにやらされている』みたいな事が徐々に判明していくのですが、そこにお話がたどり着くまでがひたすら長い。

 そしてたどり着くまでのシーンは、ひたすら実験とか会話を繰り返しているだけなので、見ていてとにかくダレてしまいます。

 ただ、ヒロインに実は統合失調症の姉が居て『自分自身が心を病まないために心理操作の実験に執着している』という設定があったりといった感じに『主人公のキャラがシッカリと掘り下げられている』のは好感触。

 また、どうでも良さそうなナンパで知り合ったボーイフレンドとか、主人公の友人のドラッグの売人とかが物凄く重要なキーマンだったりとか、普通のサスペンスに無いような意外なノリが仕込まれていたりするのはちょっと面白くて良い感じ。

 ただ、それを差し引いてもとにかくダルい部分が多すぎて、映画を観ていて時間が2倍ぐらいに引き延ばされたような気分になりましたよ。

 あとネタバレになってしまうのですが、謎解きに関して国家レベルの陰謀みたいに思わせておいて、陰謀の実態が実は『国家権力を使ってジジイのエロ願望を叶えるため』って展開は、いくらなんでも酷すぎるだろ…って思ったのは自分だけ?

 終盤で謎解きが進んで緊迫した場面になっても、事件の動機がしょうもなさすぎるせいで萎えてしまい、どうにも盛り上がる事ができませんでしたよ…

 この辺はもうちょっとどうにかならんかったものですかねぇ?


 総評としましては、とにかく『退屈でダルいサイコサスペンス映画』ってのが正直なところです。

 キャラの設定の意外性やらといった悪くない部分もあるのですが、敢えて本作を観るほどの価値のある要素になっているかと言われると、正直言って微妙なところ。

 そこまでプッシュするような要素も無いですし、普通にスルーしてしまっても問題のない一本だと思いますよ。